EBUS-TBNAにおける菌血症を含めた感染性合併症は問題ない範囲

EBUS-TBNAはリンパ節を刺すのだが、
肺動脈を刺さないかヒヤっとすることがしばしばある。
そんな背景もあってか、菌血症について調べた論文がERJから出た。
・・・・なんか、EBUS-TBNA関連の論文ってすぐにアクセプトされている気がする。

Incidence of bacteraemia following endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration
Eur Respir J 2010; 36: 28–32


背景:
 EBUS-TBNAの手技に基づく感染性合併症についてはいくつか報告がある。
 EBUS-TBNAに関連した菌血症および感染性合併症の頻度について
 プロスペクティブに評価する。

方法:
 EBUS-TBNAを縦隔リンパ節および肺門リンパ節診断のために受けた患者を登録。
 血液培養がTBNA後60秒以内に行われた。
 TBNA針は生食で洗浄され、これも培養にかけられた。
 血液培養陽性患者はすぐさま解析され、またEBUS-TBNA1週間以内に
 すべての患者において解析された。

結果:
 43人の患者がEBUS-TBNAがおこなわれ、菌血症は7%に認められた。
 すべての細菌は、口腔咽頭の常在菌であった。
 TBNA針洗浄培養は、35%で陽性であった。
 菌血症に陥った患者は、臨床症状はみられず、その他の合併症も観察されなかった。

結論:
 EBUS-TBNAにおける菌血症は、通常の気管支鏡と変わりない。
 血液培養もTBNA針洗浄培養も、口腔咽頭の常在菌が検出されたが
 臨床的に感染症症状は認められなかった。
by otowelt | 2010-07-06 00:30 | 気管支鏡

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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