睡眠時無呼吸は、肺高血圧と並んで
呼吸器内科医と循環器内科医の橋渡しをする疾患の1つである。
Prospective study of obstructive sleep apnea and incident coronary heart disease and heart failure. The Sleep Heart Health Study.
Circulation. 2010;122:352-60.
背景:
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は睡眠時無呼吸の9割を占めるとされ、
睡眠中の上気道狭窄により無呼吸が起こる。睡眠時無呼吸が
高血圧を引き起こすことは知られているが、最近は冠動脈疾患、
心不全、脳卒中、糖尿病との関連も知られ始めている。
方法:
アメリカの多施設共同大規模前向き試験。
40歳以上の一般住民を対象とし、自宅でポリソムノグラフィーを測定、
その後長期間の追跡調査をおこなった。
対象は、冠動脈疾患および心不全のない男性1927例、女性2495例。
被験者は自宅でポリソムノグラフィーを行い、無呼吸低呼吸指数(AHI)を
計測した。(AHI:睡眠中1時間当たりの無呼吸および低呼吸の平均回数)
AHIの値によって5未満、5~15未満、15~30未満、30以上の4群に分けて検討。
結果:
中央値で8.7年(四分位範囲:7.7-9.3年)の追跡中
473例の冠動脈疾患イベントが発生。内訳は死亡76例、AMI185例、
PCI施行212例。性別、年齢によって層別解析すると、70歳以下の男性でAHIと
関連が強く、70歳以下の男性では冠動脈疾患が180例発生し、補正した場合、
AHIが10上昇するごとにHRが1.10増加。
70歳以下の男性でAHI 30以上(n=116)では、AHI 5未満に比べて
HRは1.68であった。
心不全は、追跡期間中に308例発生し、そのうち144例は冠動脈疾患と重複。
補正すると、男性ではAHIが10上昇するごとにHRが1.13増加。
冠動脈疾患では70歳以上の男性で有意差が見られなかったのに対して、
心不全では男性の年齢層にかかわらずAHIによる差が認められ、
AHI 5未満の群に比べたAHI 30以上の群のHRは、1.58。
女性では冠動脈疾患と心不全のいずれについてもAHIと発生率の間に関連はなし。
結論:
男性において閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、冠動脈疾患だけでなく
心不全に対しても独立した危険因子である。
呼吸器内科医と循環器内科医の橋渡しをする疾患の1つである。
Prospective study of obstructive sleep apnea and incident coronary heart disease and heart failure. The Sleep Heart Health Study.
Circulation. 2010;122:352-60.
背景:
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は睡眠時無呼吸の9割を占めるとされ、
睡眠中の上気道狭窄により無呼吸が起こる。睡眠時無呼吸が
高血圧を引き起こすことは知られているが、最近は冠動脈疾患、
心不全、脳卒中、糖尿病との関連も知られ始めている。
方法:
アメリカの多施設共同大規模前向き試験。
40歳以上の一般住民を対象とし、自宅でポリソムノグラフィーを測定、
その後長期間の追跡調査をおこなった。
対象は、冠動脈疾患および心不全のない男性1927例、女性2495例。
被験者は自宅でポリソムノグラフィーを行い、無呼吸低呼吸指数(AHI)を
計測した。(AHI:睡眠中1時間当たりの無呼吸および低呼吸の平均回数)
AHIの値によって5未満、5~15未満、15~30未満、30以上の4群に分けて検討。
結果:
中央値で8.7年(四分位範囲:7.7-9.3年)の追跡中
473例の冠動脈疾患イベントが発生。内訳は死亡76例、AMI185例、
PCI施行212例。性別、年齢によって層別解析すると、70歳以下の男性でAHIと
関連が強く、70歳以下の男性では冠動脈疾患が180例発生し、補正した場合、
AHIが10上昇するごとにHRが1.10増加。
70歳以下の男性でAHI 30以上(n=116)では、AHI 5未満に比べて
HRは1.68であった。
心不全は、追跡期間中に308例発生し、そのうち144例は冠動脈疾患と重複。
補正すると、男性ではAHIが10上昇するごとにHRが1.13増加。
冠動脈疾患では70歳以上の男性で有意差が見られなかったのに対して、
心不全では男性の年齢層にかかわらずAHIによる差が認められ、
AHI 5未満の群に比べたAHI 30以上の群のHRは、1.58。
女性では冠動脈疾患と心不全のいずれについてもAHIと発生率の間に関連はなし。

男性において閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、冠動脈疾患だけでなく
心不全に対しても独立した危険因子である。