首吊り自殺未遂者は、再自殺に成功しやすい

 救急で搬送される患者の自殺未遂はほとんどOD(オーバードーズ)か飛び降りだった記憶がある。首吊り自殺は搬送されずに死亡確認されることが多いが、救急車でそういった患者が搬送されて救命できた場合、自殺完遂を防ぐ手立てを講じる必要があると考えられる。

Method of attempted suicide as predictor of subsequent successful suicide: national long term cohort study
BMJ 2010;340:c3222


背景:
 未遂の自殺方法とその後の自殺既遂リスクの関連を検討するため、21年~31年のフォローアップによる長期コホート研究を実施した。

方法:
 1973~1982年の入院患者のうち過去に自殺未遂歴のある48649人について、1973~2003年までの自殺既遂状況を調査。

結果:
 期間中に5740人(12%)が自殺。アウトカムが最も不良だったのは、以前未遂に終わった自殺の方法が首つり、絞首、窒息の自殺者であった。これらの群の男性:54%、女性:57%がその後の自殺に成功しており、そのうちの87%は自殺未遂後1年以内に目標を達成(ハザード比6.2, 95%信頼区間 5.5-6.9)
首吊り自殺未遂者は、再自殺に成功しやすい_e0156318_0145914.jpg
結論:
 自殺成功者のほとんどが、未遂に終わった自殺の方法と同じ方法で死亡した。首つり、絞首、窒息の自殺者の次回自殺成功率は高い。




[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ポケット呼吸器診療(2020) [ 林清二 ]
価格:2200円(税込、送料無料) (2020/5/12時点)



by otowelt | 2010-08-07 00:19 | 内科一般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30