リバスチグミンはせん妄期間を短縮しないだけでなく、死亡率も増加させる
2010年 11月 29日
アリセプトとよく似た薬、エキセロンのスタディ。
せん妄に対する効果が期待されたが、効果は証明されなかった。
Effect of rivastigmine as an adjunct to usual care with haloperidol on duration of delirium and mortality in critically ill patients: a multicentre, double-blind, placebo-controlled randomised trial
The Lancet, Volume 376, Issue 9755, Pages 1829 - 1837, 27 November 2010
背景:
重症患者においてせん妄はしばしば認められ、有害である。
せん妄の発生に、アセチルコリン神経伝達の障害が重要であると考えられており、
重症患者に発症したせん妄期間の長さに対するコリンエステラーゼ阻害薬である
リバスチグミン(rivastigmine)の影響を評価した。
方法:
登録されたオランダのICUでせん妄と診断された患者で、
2008年11月~2010年1月まで治療。患者はランダム化され、
リバスチグミン(1.5-6mg1日2回/day)あるいはプラセボが、
低用量のハロペリドールに追加投与された。プライマリエンドポイントは
入院中のせん妄期間。
結果:
440例が登録予定だったが、104例目の患者が登録された後に、
リバスチグミン投与群の死亡率(22%)がプラセボ群(8%)よりも
高いために臨床試験は途中段階で中止された。
この段階での解析において、リバスチグミン群のせん妄期間中央値は5日、
プラセボ群では3日だった。
結論:
リバスチグミンはせん妄期間を短縮しないだけでなく、死亡率も増加させる。
重症患者のせん妄に対してリバスチグミンの使用は推奨されない。
せん妄に対する効果が期待されたが、効果は証明されなかった。
Effect of rivastigmine as an adjunct to usual care with haloperidol on duration of delirium and mortality in critically ill patients: a multicentre, double-blind, placebo-controlled randomised trial
The Lancet, Volume 376, Issue 9755, Pages 1829 - 1837, 27 November 2010
背景:
重症患者においてせん妄はしばしば認められ、有害である。
せん妄の発生に、アセチルコリン神経伝達の障害が重要であると考えられており、
重症患者に発症したせん妄期間の長さに対するコリンエステラーゼ阻害薬である
リバスチグミン(rivastigmine)の影響を評価した。
方法:
登録されたオランダのICUでせん妄と診断された患者で、
2008年11月~2010年1月まで治療。患者はランダム化され、
リバスチグミン(1.5-6mg1日2回/day)あるいはプラセボが、
低用量のハロペリドールに追加投与された。プライマリエンドポイントは
入院中のせん妄期間。
結果:
440例が登録予定だったが、104例目の患者が登録された後に、
リバスチグミン投与群の死亡率(22%)がプラセボ群(8%)よりも
高いために臨床試験は途中段階で中止された。
この段階での解析において、リバスチグミン群のせん妄期間中央値は5日、
プラセボ群では3日だった。
結論:
リバスチグミンはせん妄期間を短縮しないだけでなく、死亡率も増加させる。
重症患者のせん妄に対してリバスチグミンの使用は推奨されない。
by otowelt
| 2010-11-29 06:53
| 内科一般