肺結核患者は肺癌発症のリスクが高い
2010年 12月 26日
肺結核患者の喀痰から抗酸菌だけでなく癌細胞が出た経験がある。
気管支鏡をして、結核と癌が混在していたこともある。
それだけに、このJTOの論文は興味深い。
Increased Lung Cancer Risk among Patients with Pulmonary Tuberculosis: A Population Cohort Study
Journal of Thoracic Oncology: January 2011 - Volume 6 - Issue 1 - pp 32-37
背景:
世界では、総人口の約3分の1が結核に感染している。
結核と肺癌の関連を正確に記述することは重要である。
このスタディは、収縮性肺結核が肺癌のリスクとなるかどうかを調べたものである。
方法:
コホートに肺癌のない20歳以上の716872件のサブジェクトを調べた。
1998年~2000年の間で、4480人の患者で新たに肺結核と診断された患者を
解析し、その後の肺癌発症のハザード比を算出する。
結果:
肺癌発症は、非結核患者よりも結核患者において11倍多かった。
(26.3 versus 2.41 per 10,000 person-years)
Cox比例ハザード回帰分析では、社会人口学的調整を加えて
結核患者の肺癌発症ハザード比は4.37 (95%CI: 3.56–5.36)、
COPDや喫煙関連非肺癌で補正した場合は3.32 (95% CI: 2.70–4.09)であった。
COPD合併例の場合、ハザード比は6.22 (95% CI: 4.87–7.94)まで上昇し、
喫煙関連非肺癌合併例では15.5 (95% CI: 2.17–110)まで上昇。
結論:
このスタディでは、結核患者において肺癌発症リスクは高いと言える。
COPDや喫煙関連非肺癌合併例ではさらにそのリスクは上昇する。
気管支鏡をして、結核と癌が混在していたこともある。
それだけに、このJTOの論文は興味深い。
Increased Lung Cancer Risk among Patients with Pulmonary Tuberculosis: A Population Cohort Study
Journal of Thoracic Oncology: January 2011 - Volume 6 - Issue 1 - pp 32-37
背景:
世界では、総人口の約3分の1が結核に感染している。
結核と肺癌の関連を正確に記述することは重要である。
このスタディは、収縮性肺結核が肺癌のリスクとなるかどうかを調べたものである。
方法:
コホートに肺癌のない20歳以上の716872件のサブジェクトを調べた。
1998年~2000年の間で、4480人の患者で新たに肺結核と診断された患者を
解析し、その後の肺癌発症のハザード比を算出する。
結果:
肺癌発症は、非結核患者よりも結核患者において11倍多かった。
(26.3 versus 2.41 per 10,000 person-years)
Cox比例ハザード回帰分析では、社会人口学的調整を加えて
結核患者の肺癌発症ハザード比は4.37 (95%CI: 3.56–5.36)、
COPDや喫煙関連非肺癌で補正した場合は3.32 (95% CI: 2.70–4.09)であった。
COPD合併例の場合、ハザード比は6.22 (95% CI: 4.87–7.94)まで上昇し、
喫煙関連非肺癌合併例では15.5 (95% CI: 2.17–110)まで上昇。
結論:
このスタディでは、結核患者において肺癌発症リスクは高いと言える。
COPDや喫煙関連非肺癌合併例ではさらにそのリスクは上昇する。
by otowelt
| 2010-12-26 08:41
| 抗酸菌感染症