ドキソルビシン+バルプロ酸は悪性胸膜中皮腫のセカンドラインとして有効である可能性
2011年 01月 01日
元旦にERJの1月号が発表されている。
Valproate–doxorubicin: promising therapy for progressing mesothelioma. A phase II study
Eur Respir J 2011; 37: 129–135
背景:
ファーストラインのシスプラチンベースの化学療法が無効であった
悪性胸膜中皮腫の患者において、推奨されている治療は現段階では無い。
in vitroにおいてバルプロ酸、いわゆるヒストン脱アセチル化酵素阻害剤は
プロアポトーシス効果とドキソルビシンとのアポトーシスへのシナジー効果が
認められている。われわれのプライマリエンドポイントは、
バルプロ酸とドキソルビシンを併用することによって
プラチナベースが無効であった切除不能な悪性胸膜中皮腫に対する
奏効率と検証することである。
方法:
ドキソルビシン(60 mg/m2)にバルプロ酸を加える。
奏効率の中間解析が16患者が登録された時点でおこなわれた。
2006年7月から2009年5月まで、45の患者が登録された。
結果:
ほとんどの患者が男性(73%)で、Karnofsky-PSは80より上(76%)で、
多くがepithelioid subtype (80%)であった。
PRが7人の患者にみられた (response rate 16%; 95% CI 3–25%)。
最良のdisease control rateは36% (95% CI 22–51%)であった。
2人の本試験の毒性による死亡が確認された。
(発熱性好中球減少症、脳梗塞)
両患者ともPS不良であった(60–70)。

結論:
再発あるいはプラチナベースのファーストラインが無効の
悪性胸膜中皮腫においてドキソルビシンにバルプロ酸を加えることで、
PS良好例において有効なレジメンとなる可能性がある。
Valproate–doxorubicin: promising therapy for progressing mesothelioma. A phase II study
Eur Respir J 2011; 37: 129–135
背景:
ファーストラインのシスプラチンベースの化学療法が無効であった
悪性胸膜中皮腫の患者において、推奨されている治療は現段階では無い。
in vitroにおいてバルプロ酸、いわゆるヒストン脱アセチル化酵素阻害剤は
プロアポトーシス効果とドキソルビシンとのアポトーシスへのシナジー効果が
認められている。われわれのプライマリエンドポイントは、
バルプロ酸とドキソルビシンを併用することによって
プラチナベースが無効であった切除不能な悪性胸膜中皮腫に対する
奏効率と検証することである。
方法:
ドキソルビシン(60 mg/m2)にバルプロ酸を加える。
奏効率の中間解析が16患者が登録された時点でおこなわれた。
2006年7月から2009年5月まで、45の患者が登録された。
結果:
ほとんどの患者が男性(73%)で、Karnofsky-PSは80より上(76%)で、
多くがepithelioid subtype (80%)であった。
PRが7人の患者にみられた (response rate 16%; 95% CI 3–25%)。
最良のdisease control rateは36% (95% CI 22–51%)であった。
2人の本試験の毒性による死亡が確認された。
(発熱性好中球減少症、脳梗塞)
両患者ともPS不良であった(60–70)。

結論:
再発あるいはプラチナベースのファーストラインが無効の
悪性胸膜中皮腫においてドキソルビシンにバルプロ酸を加えることで、
PS良好例において有効なレジメンとなる可能性がある。
by otowelt
| 2011-01-01 17:45
| 肺癌・その他腫瘍