全国的にも薬剤アレルギーを疑った時に
DLSTが検査される傾向にある。
個人的にはあまり有用とはおもっていない検査の1つである。
メソトレキセートに至っては、もはや出すべきではないとすら思っている。
過去記事:
・DLSTは薬剤アレルギーに有用なのか?
抗結核薬のDLSTについて、2008年に論文が出ているが
「DLSTは有用でない」という報告であったため
めんどくさくて読んでいなかった。
最近INHの減感作ばっかりやっているので、せっかくなので読んでみた。
結核屋にとっては大事な論文であろう。
Drug Lymphocyte Stimulation Test in the Diagnosis of Adverse Reactions to Antituberculosis Drugs
CHEST 2008; 134:1027-1032
背景:
結核は近年の治療向上により効果が高くなっているが、
その反面で副作用も多いとされている。
これに対してDrug lymphocyte stimulation test (DLST)が
副作用を起こす抗結核薬の特定につながるかどうかを検討する。
方法:
プロスペクティブスタディで、結核入院患者436人を対象とした。
結核の治療中に副作用を生じた患者にDLSTおよび
薬剤誘発試験(DPT)をおこなった。薬剤は、isoniazid (INH), rifampin (RIF),
ethambutol (EMB), pyrazinamide (PZA)とする。
結果:
436人中69人(15.8%)で副作用を認めた。
全体で261剤がDLSTおよびDPT施行となった。
DLST陽性は20例(28.9%)・28剤(10.7%)
これに対してDPT陽性は46例(66.6%)・67剤(25.7%)であった。
DLSTの感度は、全薬剤に対しては14.9%であり、個々の薬剤に対しては
INH 14.3%、RIF 13.6%、EMB 14.3%、PZA 0%であった。

解釈:
DPT陽性ならば基本的にDLST陽性であってほしい。この論文の
根幹はそこにあると思う。この結果から、INHに限って言えば、
DLSTのSIが高い症例ではDPT陽性例の傾向があるように見える。
しかしながら、感度は極めて低く、なおかつ偽陽性がINHで20%を超える
となると、これはもう検査としては成立しない範疇と考えてよいだろう。
ただ、INHのSIが信じられないくらい高いときはINHに関しては
考慮してもよいかもしれない。
結論:
DLSTはの副作用を起こした抗結核薬の同定には寄与しない。
DLSTが検査される傾向にある。
個人的にはあまり有用とはおもっていない検査の1つである。
メソトレキセートに至っては、もはや出すべきではないとすら思っている。
過去記事:
・DLSTは薬剤アレルギーに有用なのか?
抗結核薬のDLSTについて、2008年に論文が出ているが
「DLSTは有用でない」という報告であったため
めんどくさくて読んでいなかった。
最近INHの減感作ばっかりやっているので、せっかくなので読んでみた。
結核屋にとっては大事な論文であろう。
Drug Lymphocyte Stimulation Test in the Diagnosis of Adverse Reactions to Antituberculosis Drugs
CHEST 2008; 134:1027-1032
背景:
結核は近年の治療向上により効果が高くなっているが、
その反面で副作用も多いとされている。
これに対してDrug lymphocyte stimulation test (DLST)が
副作用を起こす抗結核薬の特定につながるかどうかを検討する。
方法:
プロスペクティブスタディで、結核入院患者436人を対象とした。
結核の治療中に副作用を生じた患者にDLSTおよび
薬剤誘発試験(DPT)をおこなった。薬剤は、isoniazid (INH), rifampin (RIF),
ethambutol (EMB), pyrazinamide (PZA)とする。
結果:
436人中69人(15.8%)で副作用を認めた。
全体で261剤がDLSTおよびDPT施行となった。
DLST陽性は20例(28.9%)・28剤(10.7%)
これに対してDPT陽性は46例(66.6%)・67剤(25.7%)であった。
DLSTの感度は、全薬剤に対しては14.9%であり、個々の薬剤に対しては
INH 14.3%、RIF 13.6%、EMB 14.3%、PZA 0%であった。

解釈:
DPT陽性ならば基本的にDLST陽性であってほしい。この論文の
根幹はそこにあると思う。この結果から、INHに限って言えば、
DLSTのSIが高い症例ではDPT陽性例の傾向があるように見える。
しかしながら、感度は極めて低く、なおかつ偽陽性がINHで20%を超える
となると、これはもう検査としては成立しない範疇と考えてよいだろう。
ただ、INHのSIが信じられないくらい高いときはINHに関しては
考慮してもよいかもしれない。
結論:
DLSTはの副作用を起こした抗結核薬の同定には寄与しない。