ムピロシン耐性MRSAの独立危険因子
2011年 01月 09日
Risk factors associated with mupirocin resistance in meticillin-resistant Staphylococcus aureus
Journal of Hospital Infection (2010) 76, 206-210
背景:
MRSA除菌プログラムが適用される機会が増えており、
ムピロシン耐性MRSAの出現が報告されるようになってきた。
しかし、ムピロシン耐性と関連するリスクファクターについては不明である。
方法:
2004年7月1日から2008年6月30日の間にMRSA培養陽性であった
退役軍人病院の患者を対象として、頻度マッチングを用いた症例対照研究
MRSAのムピロシン耐性の独立予測因子を同定した。
シーズンごとおよび1年ごとの培養実施日に基づき、ムピロシン耐性症例
40例にムピロシン感受性270例の対照をマッチ。補正をおこなった。
結果:
条件付きロジスティック回帰モデルにより、MRSAのムピロシン耐性と
関連する有意な独立予測因子として3つが特定された。すなわち、
1.培養前1年間のムピロシン投与(OR:9.84、95%CI2.93~33.09)
2.培養実施の入院前1年間の緑膿菌感染(OR 4.85、95%CI 1.20~19.61)
3.培養前1年間のセフェピム投与(OR 2.80、95%CI 1.03~7.58)
ムピロシンの投与歴は、感受性試験で低レベルのムピロシン耐性
(MIC 8~128 mg/L、症例23例、対照202例、OR 6.32、95%CI 1.58~25.33)
ないし高レベルのムピロシン耐性
(MIC≧256 mg/L、症例17例、対照151例、OR 11.18、95%CI 1.89~66.30)
と関連。
結論:
MRSAは、ムピロシンに対しても耐性を獲得しうる。
独立危険因子としては、ムピロシン投与歴、緑膿菌感染などが挙げられる。
Journal of Hospital Infection (2010) 76, 206-210
背景:
MRSA除菌プログラムが適用される機会が増えており、
ムピロシン耐性MRSAの出現が報告されるようになってきた。
しかし、ムピロシン耐性と関連するリスクファクターについては不明である。
方法:
2004年7月1日から2008年6月30日の間にMRSA培養陽性であった
退役軍人病院の患者を対象として、頻度マッチングを用いた症例対照研究
MRSAのムピロシン耐性の独立予測因子を同定した。
シーズンごとおよび1年ごとの培養実施日に基づき、ムピロシン耐性症例
40例にムピロシン感受性270例の対照をマッチ。補正をおこなった。
結果:
条件付きロジスティック回帰モデルにより、MRSAのムピロシン耐性と
関連する有意な独立予測因子として3つが特定された。すなわち、
1.培養前1年間のムピロシン投与(OR:9.84、95%CI2.93~33.09)
2.培養実施の入院前1年間の緑膿菌感染(OR 4.85、95%CI 1.20~19.61)
3.培養前1年間のセフェピム投与(OR 2.80、95%CI 1.03~7.58)
ムピロシンの投与歴は、感受性試験で低レベルのムピロシン耐性
(MIC 8~128 mg/L、症例23例、対照202例、OR 6.32、95%CI 1.58~25.33)
ないし高レベルのムピロシン耐性
(MIC≧256 mg/L、症例17例、対照151例、OR 11.18、95%CI 1.89~66.30)
と関連。
結論:
MRSAは、ムピロシンに対しても耐性を獲得しうる。
独立危険因子としては、ムピロシン投与歴、緑膿菌感染などが挙げられる。
by otowelt
| 2011-01-09 23:55
| 感染症全般