EGFR遺伝子変異陽性の小細胞肺癌の2例
2011年 01月 10日
JTO1月号から、個人的に興味のあるBrief report。
Epidermal Growth Factor Receptor Mutations in Small Cell Lung Cancer: A Brief Report
Journal of Thoracic Oncology: January 2011 - Volume 6 - Issue 1 - pp 195-198
背景:
EGFR遺伝子変異のある非小細胞肺癌(NSCLC)のゲフィチニブの
治療効果は既に確立されている。それに対して、小細胞肺癌(SCLC)は
早期に転移し化学療法抵抗性である。最近のスタディでは、
SCLCのEGFR陽性に対するゲフィチニブ感受性が報告されている。
われわれは、SCLC患者におけるEGFR陽性の報告をシェアしたいと思う。
方法:
2004年から2009年まで、国立台湾大学病院におけるSCLCの76検体を解析。
これらの検体は10のCTガイド下生検、17のエコーガイド下吸引生検、
37のエコーガイド下生検、1の外科的葉切除生検、11の悪性胸水検体である。
分子遺伝子学的解析をおこない、EGFRを同定した。
結果:
76の小細胞肺癌の検体のうち、2例(2.6%)にEGFR陽性がみられた。
そのいずれもがexon 19のdeletionであった。ひとりはいくつかの化学療法後に
ゲフィチニブが投与されたが、治療効果はみられなかった。
現在までに、われわれの2例を含めて11のEGFR陽性SCLC患者が報告されている。
ほとんどの患者は非喫煙者である。EGFR遺伝子変異を有するSCLCは
SCLCに腺癌が混在する可能性がある。
結論:
EGFR遺伝子変異はSCLC患者においてまれである。
EGFR遺伝子変異があったとしても、ゲフィチニブはSCLCにおいて
効果がないかもしれない。
Epidermal Growth Factor Receptor Mutations in Small Cell Lung Cancer: A Brief Report
Journal of Thoracic Oncology: January 2011 - Volume 6 - Issue 1 - pp 195-198
背景:
EGFR遺伝子変異のある非小細胞肺癌(NSCLC)のゲフィチニブの
治療効果は既に確立されている。それに対して、小細胞肺癌(SCLC)は
早期に転移し化学療法抵抗性である。最近のスタディでは、
SCLCのEGFR陽性に対するゲフィチニブ感受性が報告されている。
われわれは、SCLC患者におけるEGFR陽性の報告をシェアしたいと思う。
方法:
2004年から2009年まで、国立台湾大学病院におけるSCLCの76検体を解析。
これらの検体は10のCTガイド下生検、17のエコーガイド下吸引生検、
37のエコーガイド下生検、1の外科的葉切除生検、11の悪性胸水検体である。
分子遺伝子学的解析をおこない、EGFRを同定した。
結果:
76の小細胞肺癌の検体のうち、2例(2.6%)にEGFR陽性がみられた。
そのいずれもがexon 19のdeletionであった。ひとりはいくつかの化学療法後に
ゲフィチニブが投与されたが、治療効果はみられなかった。
現在までに、われわれの2例を含めて11のEGFR陽性SCLC患者が報告されている。
ほとんどの患者は非喫煙者である。EGFR遺伝子変異を有するSCLCは
SCLCに腺癌が混在する可能性がある。
結論:
EGFR遺伝子変異はSCLC患者においてまれである。
EGFR遺伝子変異があったとしても、ゲフィチニブはSCLCにおいて
効果がないかもしれない。
by otowelt
| 2011-01-10 06:09
| 肺癌・その他腫瘍