ESBL患者への除菌のメリット
2011年 04月 19日
Effectiveness of a new decolonisation regimen for eradication of extended-spectrum β-lactamase-producing Enterobacteriaceae
Journal of Hospital Infection (2011) 77, 113-117
背景:
ESBL産生Gram陰性菌は、世界的に拡がっている。ESBL保菌は
数年間にわたり持続することもあり、伝播を促進すると思われる。
接触隔離予防策や抗菌薬使用の制限などの介入が実施されるものの、
ESBL除菌法は確立していない。
目的:
標準化された除菌プログラムの有効性を明らかにする。
2000年1月から2008年1月にかけてオープンラベルの
プロスペクティブコホート対照研究を実施した。
方法:
ESBL陽性患者に対して、直腸、咽頭、尿のスクリーニングを
定期的に実施。除菌法は、0.2%クロルヘキシジンによる1日3回の
口腔咽頭洗浄、paromomycin 1g1日4回投与、尿路への経口抗菌薬
投与をおこなった。ESBL除菌成功は、追跡時のスクリーニングの
サンプルセット(咽頭、直腸、尿)が1回以上陰性であることと定義した。
結果:
100人のうち、ESBL感染患者は83%、保菌患者は17%であった。
検出頻度が高い病原菌は大腸菌:71%、
Klebsiella pneumoniae:25%であった。追跡時にESBL陰性と
なった患者は、全体で76%だった。治療成功患者の55%は、
感染症に対する全身治療を受けていた。除菌完了患者の83%は、
追跡期間中にESBLが検出されなかった。
ESBL除菌成功はリスク因子の数および保菌部位と関連がみられた。
結論:
ESBL除菌は選択された特定の患者において利益があり、
ESBLの保菌期間が短くなるだけでなく、その後の
伝播リスクが低下するかもしれない。
Journal of Hospital Infection (2011) 77, 113-117
背景:
ESBL産生Gram陰性菌は、世界的に拡がっている。ESBL保菌は
数年間にわたり持続することもあり、伝播を促進すると思われる。
接触隔離予防策や抗菌薬使用の制限などの介入が実施されるものの、
ESBL除菌法は確立していない。
目的:
標準化された除菌プログラムの有効性を明らかにする。
2000年1月から2008年1月にかけてオープンラベルの
プロスペクティブコホート対照研究を実施した。
方法:
ESBL陽性患者に対して、直腸、咽頭、尿のスクリーニングを
定期的に実施。除菌法は、0.2%クロルヘキシジンによる1日3回の
口腔咽頭洗浄、paromomycin 1g1日4回投与、尿路への経口抗菌薬
投与をおこなった。ESBL除菌成功は、追跡時のスクリーニングの
サンプルセット(咽頭、直腸、尿)が1回以上陰性であることと定義した。
結果:
100人のうち、ESBL感染患者は83%、保菌患者は17%であった。
検出頻度が高い病原菌は大腸菌:71%、
Klebsiella pneumoniae:25%であった。追跡時にESBL陰性と
なった患者は、全体で76%だった。治療成功患者の55%は、
感染症に対する全身治療を受けていた。除菌完了患者の83%は、
追跡期間中にESBLが検出されなかった。
ESBL除菌成功はリスク因子の数および保菌部位と関連がみられた。
結論:
ESBL除菌は選択された特定の患者において利益があり、
ESBLの保菌期間が短くなるだけでなく、その後の
伝播リスクが低下するかもしれない。
by otowelt
| 2011-04-19 22:02
| 感染症全般