野生アルマジロとHansen病患者における共通のMycobacterium leprae株3I-2-v1
2011年 04月 29日
leprosyはHansen病のことであるが、便宜的に訳ではHansen病と訳す。
Hansen病が人畜共通感染症である
可能性を示したインパクトのある論文
である。leprosyという言葉は、
宗教医学的な意味合いのある用語らしい。
Probable Zoonotic Leprosy in the Southern United States
N Engl J Med 2011;364:1626-33.
背景:
アメリカ南部のルイジアナ州やテキサス州などで、アメリカ外曝露がない
のにもかかわらずアメリカ人でのleprosy:Hansen病の土着症例が発生
している。この地域とメキシコでは、野生アルマジロが
Mycobacterium lepraeに感染している。
方法:
野生のアルマジロ1 匹、アメリカ人Hansen病患者3人から検出した
Mycobacterium lepraeの全ゲノム再配列決定により、
感染菌株は本質的に同一であることが明わかった。これらの菌株と
アジアおよびブラジルのMycobacterium leprae株の
比較ゲノム解析によって、SNP51個と11bpの挿入欠失を同定。
アメリカ南部の5 つの州の野生アルマジロ33匹、ルイジアナ州の
診療所を受診したアメリカ人外来患者50人、ベネズエラ人患者64人から
検出したMycobacterium leprae株と、アメリカ以外の
参照比較株4株で、これらのSNP部位とリピート数の異なる10の
タンデムリピートで遺伝子型を決定。
結果:
アメリカ外での曝露歴がある患者のMycobacterium leprae遺伝子型は、
おおむね出身国や渡航歴を反映していたものの、野生アルマジロ
33匹中28匹と、アルマジロが媒介するMycobacterium lepraeに
曝露されている可能性のある地域に居住しているアメリカ患者39人中
25人においては、特異なMycobacterium leprae遺伝子型
(3I-2-v1)が検出された。この遺伝子型は世界の他の地域では
発見されていない。

アメリカ南部の野生アルマジロと多くのHansen病患者が
同一のMycobacterium leprae株に感染していた。
アルマジロは自然界におけるMycobacterium lepraeの主たる
保菌宿主であり、Hansen病はこの地域の人獣共通感染症の可能性がある。
by otowelt
| 2011-04-29 10:02
| 感染症全般









