転移性膵癌患者においてFOLFIRINOXはGem単剤よりOS・PFSを有意に延長
2011年 05月 14日
OSの改善がみられた癌の重要な試験は、
内科医としては知っておかねばならない。
FOLFIRINOX versus Gemcitabine for Metastatic Pancreatic Cancer
N Engl J Med 2011; 364:1817-1825
背景:
転移性膵癌に対するファーストラインで
オキサリプラチン+イリノテカン+フルオロウラシル+ロイコボリン
を併用したFOLFIRINOXレジメンの有効性と安全性を
ゲムシタビンと比較したデータは現時点ではない。
方法:
転移性膵癌と診断されたECOG-PSが0 or 1の342人に
FOLFIRINOX群(2週間ごとに、オキサリプラチン85mg/m2+
イリノテカン180mg/m2+ロイコボリン400 mg/m2を点滴、
フルオロウラシルを400mg/m2をボーラス後2400mg/m2を
46時間持続点滴)と、ゲムシタビン群(1000 mg/m2 週1回を
8週間中7週間投与、その後4週間中3週間投与)のいずれかに
ランダムに割り付けた。両群とも、反応がみられた患者に
6ヵ月間の化学療法を推奨することとした。
プライマリエンドポイントはOS。
結果:
OS中央値は、FOLFIRINOX群で11.1ヵ月であったが、
ゲムシタビン群では6.8ヵ月だった(HR0.57、95%CI 0.45~0.73、
P<0.001)。PFS中央値は、FOLFIRINOX群で6.4 ヵ月、
ゲムシタビン群で3.3ヵ月(HR0.47、95% CI 0.37~0.59、
P<0.001)。ORRは、FOLFIRINOX群で31.6%、
ゲムシタビン群では9.4%(P<0.001)。有害事象は
FOLFIRINOX群のほうが多く、5.4%でFNがみられた。
6ヵ月の時点におけるQOL低下は、FOLFIRINOX 群で
31%にみられたが、ゲムシタビン群では66%にみられた
(HR0.47、95% CI 0.30~0.70、P<0.001)。
結論:
FOLFIRINOXは、ゲムシタビンと比較して生存利益があるものの
毒性はより強かった。PSのよい状態良好な転移性膵癌患者において
FOLFIRINOXは、治療選択肢の一つになるうる。
内科医としては知っておかねばならない。
FOLFIRINOX versus Gemcitabine for Metastatic Pancreatic Cancer
N Engl J Med 2011; 364:1817-1825
背景:
転移性膵癌に対するファーストラインで
オキサリプラチン+イリノテカン+フルオロウラシル+ロイコボリン
を併用したFOLFIRINOXレジメンの有効性と安全性を
ゲムシタビンと比較したデータは現時点ではない。
方法:
転移性膵癌と診断されたECOG-PSが0 or 1の342人に
FOLFIRINOX群(2週間ごとに、オキサリプラチン85mg/m2+
イリノテカン180mg/m2+ロイコボリン400 mg/m2を点滴、
フルオロウラシルを400mg/m2をボーラス後2400mg/m2を
46時間持続点滴)と、ゲムシタビン群(1000 mg/m2 週1回を
8週間中7週間投与、その後4週間中3週間投与)のいずれかに
ランダムに割り付けた。両群とも、反応がみられた患者に
6ヵ月間の化学療法を推奨することとした。
プライマリエンドポイントはOS。
結果:
OS中央値は、FOLFIRINOX群で11.1ヵ月であったが、
ゲムシタビン群では6.8ヵ月だった(HR0.57、95%CI 0.45~0.73、
P<0.001)。PFS中央値は、FOLFIRINOX群で6.4 ヵ月、
ゲムシタビン群で3.3ヵ月(HR0.47、95% CI 0.37~0.59、
P<0.001)。ORRは、FOLFIRINOX群で31.6%、
ゲムシタビン群では9.4%(P<0.001)。有害事象は
FOLFIRINOX群のほうが多く、5.4%でFNがみられた。
6ヵ月の時点におけるQOL低下は、FOLFIRINOX 群で
31%にみられたが、ゲムシタビン群では66%にみられた
(HR0.47、95% CI 0.30~0.70、P<0.001)。

FOLFIRINOXは、ゲムシタビンと比較して生存利益があるものの
毒性はより強かった。PSのよい状態良好な転移性膵癌患者において
FOLFIRINOXは、治療選択肢の一つになるうる。
by otowelt
| 2011-05-14 21:00
| 肺癌・その他腫瘍