EGFR-TKIの有無を問わず、アジア人は白人より非小細胞肺癌治療における生存利益が大きい
2011年 06月 01日
JTOから、肺癌の生存に関する人種差のメタアナリシス。
Ethnic Differences in Survival Outcome in Patients with Advanced Stage Non-small Cell Lung Cancer: Results of a Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials
Journal of Thoracic Oncology: June 2011 - Volume 6 - Issue 6 - pp 1030-1038
背景:
人種間において、非小細胞肺癌(NSCLC)へのサイトトキシック化学療法の
差異は存在するが、人種に基づいた生存アウトカムの解析は大規模コホート
研究においていまだシステマティックに評価されていない。
さらに、最近の試験結果はEGFR-TKIの使用により混乱を生じている
かもしれない。
方法:
MEDLINEにより同定された臨床試験においてメタアナリシスを実施。
OS中央値、TTP、PFS、ORRがランダム化試験から抽出された。
アウトカムは、アジア人と白人において比較された。
結果:
1182の引用が同定され、391の治療アーム(アジア人90、白人301)が
解析された。全ての化学療法に対するOS中央値は、アジア人と白人において
10.1ヶ月vs8.0ヶ月(p<0.001)で、ORR中央値は32.2%vs25.9%(p<0.001)
であった。単独療法、白金製剤との併用療法、3剤以上の併用療法
においてそれぞれOS中央値はアジア人と白人で
9.9ヶ月vs6.8ヶ月、10.4ヶ月vs8.6ヶ月、9.4ヶ月vs8.0ヶ月(全てp<0.001)
であった。EGFR-TKIが発表される前の論文においては
全化学療法に対してOS中央値はアジア人、白人でそれぞれ9.1ヶ月vs7.3ヶ月
(p<0.001)で、ORR中央値は29.0%vs23.0% (p < 0.006)であった。
EGFR-TKI前での単独療法、白金製剤との併用療法、3剤以上の併用療法
において、OS中央値はそれぞれ8.9ヶ月vs6.5ヶ月(p < 0.005)、
9.1ヶ月vs7.5ヶ月(p < 0.001)、9.3ヶ月vs7.6ヶ月(p < 0.003)であった。
白金製剤と第3世代抗癌剤を併用したレジメンにおいては、OS中央値は
アジア人と白人においてそれぞれ11.3ヶ月、9.5ヶ月(p<0.001)で、
ORR中央値は35.0%、29.8% (p<0.001)であった。
結論:
化学療法に対しての人種差は存在し、臨床試験のデザインを行うときは
これらも考慮する必要がある。
Ethnic Differences in Survival Outcome in Patients with Advanced Stage Non-small Cell Lung Cancer: Results of a Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials
Journal of Thoracic Oncology: June 2011 - Volume 6 - Issue 6 - pp 1030-1038
背景:
人種間において、非小細胞肺癌(NSCLC)へのサイトトキシック化学療法の
差異は存在するが、人種に基づいた生存アウトカムの解析は大規模コホート
研究においていまだシステマティックに評価されていない。
さらに、最近の試験結果はEGFR-TKIの使用により混乱を生じている
かもしれない。
方法:
MEDLINEにより同定された臨床試験においてメタアナリシスを実施。
OS中央値、TTP、PFS、ORRがランダム化試験から抽出された。
アウトカムは、アジア人と白人において比較された。
結果:
1182の引用が同定され、391の治療アーム(アジア人90、白人301)が
解析された。全ての化学療法に対するOS中央値は、アジア人と白人において
10.1ヶ月vs8.0ヶ月(p<0.001)で、ORR中央値は32.2%vs25.9%(p<0.001)
であった。単独療法、白金製剤との併用療法、3剤以上の併用療法
においてそれぞれOS中央値はアジア人と白人で
9.9ヶ月vs6.8ヶ月、10.4ヶ月vs8.6ヶ月、9.4ヶ月vs8.0ヶ月(全てp<0.001)
であった。EGFR-TKIが発表される前の論文においては
全化学療法に対してOS中央値はアジア人、白人でそれぞれ9.1ヶ月vs7.3ヶ月
(p<0.001)で、ORR中央値は29.0%vs23.0% (p < 0.006)であった。
EGFR-TKI前での単独療法、白金製剤との併用療法、3剤以上の併用療法
において、OS中央値はそれぞれ8.9ヶ月vs6.5ヶ月(p < 0.005)、
9.1ヶ月vs7.5ヶ月(p < 0.001)、9.3ヶ月vs7.6ヶ月(p < 0.003)であった。
白金製剤と第3世代抗癌剤を併用したレジメンにおいては、OS中央値は
アジア人と白人においてそれぞれ11.3ヶ月、9.5ヶ月(p<0.001)で、
ORR中央値は35.0%、29.8% (p<0.001)であった。
結論:
化学療法に対しての人種差は存在し、臨床試験のデザインを行うときは
これらも考慮する必要がある。
by otowelt
| 2011-06-01 05:39
| 肺癌・その他腫瘍