カテーテルは全て培養に出すべきか?
2011年 06月 19日
Prospective, randomised study of selective versus routine culture of vascular catheter tips: patient outcome, antibiotic use and laboratory workload
Journal of Hospital Infection (2011) 77, 309-315
目的:
血培陰性患者における血管カテーテルの先端培養の意義を評価する。
方法:
入院患者のすべての先端部試料を、カテーテルの2種類の日常的処理法に
プロスペクティブにランダム化割り付けをし、全患者の先端部を
培養する群(A群)と菌血症または真菌血症を併発する患者の先端のみ
を培養する群(B群)とを比較。
結果:
9ヵ月の登録期間により、A群には318人からのカテーテル426本、
B群には322人429 本をランダムに割り付けた(n=640)。
アウトカムおよびコストを両群で比較。
人口統計データ、死亡率、入院期間、抗菌薬の使用には、
有意差はみられなかった。非菌血症/真菌血症患者(517人)での
カテーテル抜去後の抗菌薬治療日数は、A群
(中央値10.0 日、IQR6.0~14.0)が、B群(8.0 日、IQR4.7~12.2)
よりも有意に長かった(P =0.03)。抗菌薬の1日規定用量(DDD)は、
A群10.8 DDD(IQR 2.4~26.9)、B群7.5 DDD(IQR 1.5~20.0)
であった(P = 0.03)。治療を受けた患者1人あたりの抗菌薬の費用も
A群のほうが高かった(P = 0.05)。
全患者の血管カテーテル先端部をB法で処理した場合、
微生物学的検査作業負担は、77%に減少。
結論:
菌血症または真菌血症ではない患者において、全カテーテル先端部の
日常的な培養による微生物学的検査を実施すべきではない。
Journal of Hospital Infection (2011) 77, 309-315
目的:
血培陰性患者における血管カテーテルの先端培養の意義を評価する。
方法:
入院患者のすべての先端部試料を、カテーテルの2種類の日常的処理法に
プロスペクティブにランダム化割り付けをし、全患者の先端部を
培養する群(A群)と菌血症または真菌血症を併発する患者の先端のみ
を培養する群(B群)とを比較。
結果:
9ヵ月の登録期間により、A群には318人からのカテーテル426本、
B群には322人429 本をランダムに割り付けた(n=640)。
アウトカムおよびコストを両群で比較。
人口統計データ、死亡率、入院期間、抗菌薬の使用には、
有意差はみられなかった。非菌血症/真菌血症患者(517人)での
カテーテル抜去後の抗菌薬治療日数は、A群
(中央値10.0 日、IQR6.0~14.0)が、B群(8.0 日、IQR4.7~12.2)
よりも有意に長かった(P =0.03)。抗菌薬の1日規定用量(DDD)は、
A群10.8 DDD(IQR 2.4~26.9)、B群7.5 DDD(IQR 1.5~20.0)
であった(P = 0.03)。治療を受けた患者1人あたりの抗菌薬の費用も
A群のほうが高かった(P = 0.05)。
全患者の血管カテーテル先端部をB法で処理した場合、
微生物学的検査作業負担は、77%に減少。
結論:
菌血症または真菌血症ではない患者において、全カテーテル先端部の
日常的な培養による微生物学的検査を実施すべきではない。
by otowelt
| 2011-06-19 15:26
| 感染症全般