BUILD-3試験:IPFに対するボセンタンはIPF悪化までの時間に寄与しない

BUILD-3: A Randomized, Controlled Trial of Bosentan in
Idiopathic Pulmonary Fibrosis
Am J Respir Crit Care Med Vol 184. pp 92–99, 2011


昨年ATSで発表された、IPFの有名な試験の1つである。
少し難しい試験なので、日本語訳ではなく概要にする。

BUILD-3試験はネガティブスタディなので
そこまで詳細を覚えておく必要はないが、
IPFに対するボセンタンを検証したこの試験において
生存の改善がみられなかったという事実は
呼吸器内科医にとって重要である。

ボセンタンは、第II/III相試験のBUILD-1試験で
IPF悪化または死亡までの時間が延長し、QOLでの改善が示されていた。
BUILD-3試験では、外科肺生検で証明されATS/ERS statementに基づく
IPFの診断を受けた患者を登録してプラセボと比較した。

616人の患者が登録され、ボセンタン407人、プラセボ209人に
ランダムに割り付けられた。
プライマリエンドポイントであるIPF悪化までの時間
(a confirmed decrease from baseline in FVC > 10%
and DLCO>15%, or acute exacerbation of IPF)
について改善がみられなかった(HR 0.85;95%CI0.66–1.10; P=0.2110)。
BUILD-3試験:IPFに対するボセンタンはIPF悪化までの時間に寄与しない_e0156318_14445073.jpg
forest plotは、なんとなくボセンタン寄りな気もする…。
もし、出版バイアスがあるならメタアナリシスで
差が出るかもしれないが…。
その差があったとしても、いずれにしても
微々たる効果なのだろうと思うところはある。
by otowelt | 2011-07-11 14:47 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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