粉塵曝露によって兵士に呼吸困難と運動耐容能低下をきたす狭窄性細気管支炎が起こり得る
2011年 07月 22日
兵士ネタの論文が最近流行っているような気がする。
Constrictive Bronchiolitis in Soldiers Returning from Iraq and Afghanistan
N Engl J Med 2011;365:222-30.
背景:
記述症例研究において、イラク・アフガニスタンでの従軍中に
吸入曝露を受けたアメリカのケンタッキー州フォートキャンベル兵80人
について、陸軍の体力基準を満たせなくなるような
労作時呼吸困難が起こり得るかどうか評価した。
方法:
登録された兵士において、病歴と曝露歴に関する評価、身体所見。
呼吸機能検査、HRCTを施行。非侵襲的評価項目においては
症状の原因が判明しなかった49人にVATS:胸腔鏡肺生検を施行。
心肺運動負荷試験、呼吸機能検査のデータを
過去のコントロール兵士のデータと比較。
結果:
2003年イラクにおける硫黄鉱山での火災による吸入曝露歴が多かったが
全員はこれに該当していなかった。VATSを施行した49人全員の検体に
異常があり、38人にconstrictive bronchiolitis:狭窄性細気管支炎
の変化がみられた。残り11人では、constrictive bronchiolitis以外の
呼吸困難症状に合致するような病理学的診断が確定できた。
constrictive bronchiolitisのある兵士では、胸部レントゲンは正常だったが、
CTでは約1/4にモザイク型エアートラッピングまたは小葉中心性結節が
確認できた。呼吸機能検査と心肺運動負荷試験の結果は正常範囲内であった
ものの、コントロール兵士の結果と比べると劣性であった。結論:
従軍派遣後に原因不明の労作時呼吸困難と運動耐容能低下があった
49人のVATS生検標本を分析した結果、38人でびまん性の
constrictive bronchiolitis:狭窄性細気管支炎が同定された。
これらは吸入曝露に関連するのかもしれない。
Constrictive Bronchiolitis in Soldiers Returning from Iraq and Afghanistan
N Engl J Med 2011;365:222-30.
背景:
記述症例研究において、イラク・アフガニスタンでの従軍中に
吸入曝露を受けたアメリカのケンタッキー州フォートキャンベル兵80人
について、陸軍の体力基準を満たせなくなるような
労作時呼吸困難が起こり得るかどうか評価した。
方法:
登録された兵士において、病歴と曝露歴に関する評価、身体所見。
呼吸機能検査、HRCTを施行。非侵襲的評価項目においては
症状の原因が判明しなかった49人にVATS:胸腔鏡肺生検を施行。
心肺運動負荷試験、呼吸機能検査のデータを
過去のコントロール兵士のデータと比較。
結果:
2003年イラクにおける硫黄鉱山での火災による吸入曝露歴が多かったが
全員はこれに該当していなかった。VATSを施行した49人全員の検体に
異常があり、38人にconstrictive bronchiolitis:狭窄性細気管支炎
の変化がみられた。残り11人では、constrictive bronchiolitis以外の
呼吸困難症状に合致するような病理学的診断が確定できた。
constrictive bronchiolitisのある兵士では、胸部レントゲンは正常だったが、
CTでは約1/4にモザイク型エアートラッピングまたは小葉中心性結節が
確認できた。呼吸機能検査と心肺運動負荷試験の結果は正常範囲内であった
ものの、コントロール兵士の結果と比べると劣性であった。結論:
従軍派遣後に原因不明の労作時呼吸困難と運動耐容能低下があった
49人のVATS生検標本を分析した結果、38人でびまん性の
constrictive bronchiolitis:狭窄性細気管支炎が同定された。
これらは吸入曝露に関連するのかもしれない。
by otowelt
| 2011-07-22 09:07
| 呼吸器その他