術後の発熱と無気肺に関連性はない

1988年のスタディのみが有意差があるもので、
それ以外は有意差がもともとないため、forest plotを
しても95%CIは1.0に乗ってしまうのは当たり前かもしれない。

Atelectasis as a Cause of Postoperative Fever. Where Is the Clinical Evidence?
CHEST 2011; 140(2):418–424


背景:
 無気肺は、術後早期における発熱の原因と考えられているが
 エビデンスについては議論の余地がある。
 われわれは、無気肺が術後の発熱に関与しているかどうかを調べた。

方法:
 PubMed、Scopusデータベースにおいて
 システマティックな検索を施行。
 無気肺と発熱の関連についてのスタディを同定した。

結果:
 8のスタディで998人の外科手術をうけた患者を解析に組み込んだ。
 1のスタディのみが有意に術後無気肺と発熱を関連づけていたが、
 他のスタディは関連性がないものとしていた。
 forest plotで有意はなく、OR, 1.40; 95% CI, 0.92-2.12。
術後の発熱と無気肺に関連性はない_e0156318_7403134.jpg
結論:
 術後無気肺が発熱の原因となることは臨床的なエビデンスとして
 明確ではないことがわかった。
by otowelt | 2011-08-17 04:33 | 呼吸器その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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