特発性肺線維症に対するBIBF 1120 の有用性
2011年 09月 23日
呼吸器内科医の間では有名な話である。
L. Richeldi, et al. Efficacy of a Tyrosine Kinase Inhibitor in Idiopathic Pulmonary Fibrosis
N Engl J Med 2011; 365 : 1079 - 87
背景:
特発性肺線維症は死亡率の高い進行性肺疾患である。
複数のチロシンキナーゼ受容体によって活性化される
シグナル伝達経路と肺線維症の関連があり、この受容体の
阻害によって特発性肺線維症の進行を遅らせることが
できるかもしれない。
方法:
12ヶ月におよぶの第2相試験において、特発性肺線維症患者
にチロシンキナーゼ阻害薬であるBIBF1120の4通りの用量の
経口投与をプラセボと比較し有効性と安全性を評価した。
プライマリエンドポイントは、努力肺活量(FVC)の年間低下率。
セカンダリエンドポイントは、急性増悪、QOL(SGRQ評価)、
全肺気量など。
結果:
合計432例を、BIBF1120の4通りの用量
1.50 mg 1日1回
2.50 mg 1日2回
3.100 mg 1日2回
4.150 mg 1日2回
のいずれかを投与する群と、プラセボを投与する群に
ランダムに割り付け。FVC低下率は、BIBF1120を
150 mg 1日2回群で0.06 L/年であったのに対して
プラセボ群では 0.19 L/年であり、BIBF 1120 により
68.4%抑制された。急性増悪発生率も、150 mg 1日2回群で
プラセボ群よりも低下した(P=0.02)。
SGRQ スコアは、150 mg 1日2回群でわずかに低下したが
プラセボ群では上昇(-0.66 vs 5.46,P=0.007)。
150 mg 1日2回群では、消化器症状、
肝アミノトランスフェラーゼ上昇の頻度が高かった。
結論:
特発性肺線維症に対するBIBF 1120 150mg 1日2回投与は
プラセボと比較して肺機能低下が抑制される傾向にあり、
急性増悪は減少し、またQOLは保たれた。
L. Richeldi, et al. Efficacy of a Tyrosine Kinase Inhibitor in Idiopathic Pulmonary Fibrosis
N Engl J Med 2011; 365 : 1079 - 87
背景:
特発性肺線維症は死亡率の高い進行性肺疾患である。
複数のチロシンキナーゼ受容体によって活性化される
シグナル伝達経路と肺線維症の関連があり、この受容体の
阻害によって特発性肺線維症の進行を遅らせることが
できるかもしれない。
方法:
12ヶ月におよぶの第2相試験において、特発性肺線維症患者
にチロシンキナーゼ阻害薬であるBIBF1120の4通りの用量の
経口投与をプラセボと比較し有効性と安全性を評価した。
プライマリエンドポイントは、努力肺活量(FVC)の年間低下率。
セカンダリエンドポイントは、急性増悪、QOL(SGRQ評価)、
全肺気量など。
結果:
合計432例を、BIBF1120の4通りの用量
1.50 mg 1日1回
2.50 mg 1日2回
3.100 mg 1日2回
4.150 mg 1日2回
のいずれかを投与する群と、プラセボを投与する群に
ランダムに割り付け。FVC低下率は、BIBF1120を
150 mg 1日2回群で0.06 L/年であったのに対して
プラセボ群では 0.19 L/年であり、BIBF 1120 により
68.4%抑制された。急性増悪発生率も、150 mg 1日2回群で
プラセボ群よりも低下した(P=0.02)。
SGRQ スコアは、150 mg 1日2回群でわずかに低下したが
プラセボ群では上昇(-0.66 vs 5.46,P=0.007)。
150 mg 1日2回群では、消化器症状、
肝アミノトランスフェラーゼ上昇の頻度が高かった。
結論:
特発性肺線維症に対するBIBF 1120 150mg 1日2回投与は
プラセボと比較して肺機能低下が抑制される傾向にあり、
急性増悪は減少し、またQOLは保たれた。
by otowelt
| 2011-09-23 20:23
| びまん性肺疾患