市中発症あるいは高齢者のノロウイルスは死亡率が高い
2011年 11月 19日
ノロウイルスの季節。
L. Gustavsson, et al.
Excess mortality following community-onset norovirus enteritis in the elderly
Journal of Hospital Infection (2011) 79, 27-31
背景:
ノロウイルスは死亡の増加をもたらす感染症である。
ノロウイルス腸炎後の死亡率に関すてレトロスペクティブに
研究をおこなった。
方法:
スウェーデンSahlgrenska大学病院で2008年8月~2009年6月に
PCR法で便からノロウイルスgenogroup II 陽性が確認され、
その治療を受けたすべての成人入院患者を登録した。
結果、n=598、年齢18~101 歳であった。
コントロール群として腸炎症状のない成人1196人を登録した。
ノロウイルスPCR陽性となった検体採取日から90日後までの死亡、
合併疾患、入院期間を記録。30日・90日生存率を算出。
結果:
30日死亡率は7.6%であり、18~59歳の若い年齢層においては
死亡はなかった。60~101歳において、基礎疾患がある症例の
30日死亡率は、合併疾患のない症例と比べ高かった
(30 日生存率 89.5% vs 94.7%、P < 0.05)。
80歳を超える年齢においては、市中発症ノロウイルス腸炎患者
(64人)の死亡率は病院発症ノロウイルス腸炎患者(305人)よりも高く
(30日生存率 81.2% vs 90.2%、P < 0.05)、コントロール群
(128人)と比べても高かった(30 日生存率 81.2%vs 91.4%、
P < 0.05)。
結論:
入院が必要な市中発症ノロウイルス腸炎は、
病院発症ノロウイルス腸炎あるいは高齢入院患者のコントロール群と
比べて死亡率が高い。
L. Gustavsson, et al.
Excess mortality following community-onset norovirus enteritis in the elderly
Journal of Hospital Infection (2011) 79, 27-31
背景:
ノロウイルスは死亡の増加をもたらす感染症である。
ノロウイルス腸炎後の死亡率に関すてレトロスペクティブに
研究をおこなった。
方法:
スウェーデンSahlgrenska大学病院で2008年8月~2009年6月に
PCR法で便からノロウイルスgenogroup II 陽性が確認され、
その治療を受けたすべての成人入院患者を登録した。
結果、n=598、年齢18~101 歳であった。
コントロール群として腸炎症状のない成人1196人を登録した。
ノロウイルスPCR陽性となった検体採取日から90日後までの死亡、
合併疾患、入院期間を記録。30日・90日生存率を算出。
結果:
30日死亡率は7.6%であり、18~59歳の若い年齢層においては
死亡はなかった。60~101歳において、基礎疾患がある症例の
30日死亡率は、合併疾患のない症例と比べ高かった
(30 日生存率 89.5% vs 94.7%、P < 0.05)。
80歳を超える年齢においては、市中発症ノロウイルス腸炎患者
(64人)の死亡率は病院発症ノロウイルス腸炎患者(305人)よりも高く
(30日生存率 81.2% vs 90.2%、P < 0.05)、コントロール群
(128人)と比べても高かった(30 日生存率 81.2%vs 91.4%、
P < 0.05)。
結論:
入院が必要な市中発症ノロウイルス腸炎は、
病院発症ノロウイルス腸炎あるいは高齢入院患者のコントロール群と
比べて死亡率が高い。
by otowelt
| 2011-11-19 21:31
| 感染症全般