クリスマスBMJ:減塩を推奨する政府・医療機関は、減塩ができていない

今年もクリスマスBMJの季節がやってきた。
減塩の推奨をしている政府機関や医療機関において
塩分摂取が多いじゃないかという皮肉。

L M Brewster,et al.
High salt meals in staff canteens of salt policy makers: observational study
BMJ 2011; 343 doi: 10.1136/bmj.d7352 (Published 20 December 2011)
Cite this as: BMJ 2011;343:d7352


目的:
 オランダにおける、塩分摂取などの健康行政にかかわる組織での
 食堂等の塩分摂取量を評価する。

結果:
 上記行政府の食堂におけるを調べると、塩分推奨量は6g/日にも関わらず、
 平均7.1 g,(SE 0.2 g)であった。健康・医療審議に関する
 Department of Health and National Health Councilでは
 6.9 g (0.4 g)、食品・消費者安全に関する
 Food and Consumer Product Safety Authorityでは6.0 g (0.9 g)、
 大学病院職員食堂では7.4 g (0.5 g) 、非大学病院職員食堂では
 7.0 g (0.3 g)であった。すなわち、推奨を遵守している人と比較すると
 23~36%の早期心血管死亡率増加と関連する。

結論:
 もし塩分摂取量を推奨する行政の食堂等で
 食事を摂取するなら、健康を危険にさらす可能性がある。
by otowelt | 2011-12-24 16:10 | 内科一般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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