ESBL産生大腸菌に対してβラクタム/βラクタマーゼ阻害薬は有効
2011年 12月 29日
ESBLに対するβラクタマーゼ阻害薬はin vitroで有用であることが
示唆されており、臨床的なデータは乏しい。
Extended-spectrum b-lactamase: a clinicalupdate. Clin Microbiol Rev 2005; 18:657–86.
今回の結果は特に尿路と胆管由来のESBL産生大腸菌に
有用であるとの結果であった。
Jesus Rodriguez-Bano, et al.
β-Lactam/β-Lactam Inhibitor Combinations for the Treatment of Bacteremia Due to
Extended-Spectrum b-Lactamase–Producing Escherichia coli: A Post Hoc Analysis of Prospective Cohorts
Clinical Infectious Diseases 2012;54(2):167–74
背景:
基質拡張型βラクタマーゼ産生大腸菌(ESBL-EC)は、侵襲性感染症の
原因として重要である。カルバペネマーゼ産生の腸内細菌の増加から
カルバペネムの代替薬が望まれている。 ESBLにおける
βラクタム/βラクタマーゼ阻害薬(BLBLI)の効果については議論の余地がある。
方法:
筆者はESBL-ECによる血流感染患者について
6つのプロスペクティブコホート文献からpost hoc解析を施行した。
利用可能なBLBLIであるアモキシシン-クラブラン酸(AMC)と
ピペラシリン-タゾバクタム(PTZ)あるいはカルバペネム系抗菌薬で
2つのコホート:経験的治療、確定的治療 において
死亡率と在院日数を比較。
結果:
経験的治療コホートにおいて103人の患者が登録し
(BLBLI, 72; carbapenem, 31)、確定的治療コホートにおいて
174人が登録(BLBLI, 54;carbapenem, 120)。30日死亡率は
BLBLIとカルベペネムでそれぞれ
経験的治療コホート:9.7% vs 19.4%
確定的治療コホート:9.3% vs 16.7% (P= .2, log-rank test)。
交絡因子補正後においても、統計学的な差はなし。
経験的治療コホート:(HR, 1.14; 95% CI, .29–4.40; P=.84)
確定的治療コホート:(HR, 0.76; 95% CI,.28–2.07; P=.5)。
在院日数についても影響はなし。
結論:
AMCやPTZはESBL-EC血流感染患者におけるカルバペネムの代替薬
となりうることが示唆される。
示唆されており、臨床的なデータは乏しい。
Extended-spectrum b-lactamase: a clinicalupdate. Clin Microbiol Rev 2005; 18:657–86.
今回の結果は特に尿路と胆管由来のESBL産生大腸菌に
有用であるとの結果であった。
Jesus Rodriguez-Bano, et al.
β-Lactam/β-Lactam Inhibitor Combinations for the Treatment of Bacteremia Due to
Extended-Spectrum b-Lactamase–Producing Escherichia coli: A Post Hoc Analysis of Prospective Cohorts
Clinical Infectious Diseases 2012;54(2):167–74
背景:
基質拡張型βラクタマーゼ産生大腸菌(ESBL-EC)は、侵襲性感染症の
原因として重要である。カルバペネマーゼ産生の腸内細菌の増加から
カルバペネムの代替薬が望まれている。 ESBLにおける
βラクタム/βラクタマーゼ阻害薬(BLBLI)の効果については議論の余地がある。
方法:
筆者はESBL-ECによる血流感染患者について
6つのプロスペクティブコホート文献からpost hoc解析を施行した。
利用可能なBLBLIであるアモキシシン-クラブラン酸(AMC)と
ピペラシリン-タゾバクタム(PTZ)あるいはカルバペネム系抗菌薬で
2つのコホート:経験的治療、確定的治療 において
死亡率と在院日数を比較。
結果:
経験的治療コホートにおいて103人の患者が登録し
(BLBLI, 72; carbapenem, 31)、確定的治療コホートにおいて
174人が登録(BLBLI, 54;carbapenem, 120)。30日死亡率は
BLBLIとカルベペネムでそれぞれ
経験的治療コホート:9.7% vs 19.4%
確定的治療コホート:9.3% vs 16.7% (P= .2, log-rank test)。
交絡因子補正後においても、統計学的な差はなし。
経験的治療コホート:(HR, 1.14; 95% CI, .29–4.40; P=.84)
確定的治療コホート:(HR, 0.76; 95% CI,.28–2.07; P=.5)。
在院日数についても影響はなし。
結論:
AMCやPTZはESBL-EC血流感染患者におけるカルバペネムの代替薬
となりうることが示唆される。
by otowelt
| 2011-12-29 15:21
| 感染症全般