マラソンにおける心肺停止のリスク
2012年 01月 13日
マラソンをやっていた身としては、非常に気になる論文。
Jonathan H. Kim, et al.
Cardiac Arrest during Long-Distance Running Races
N Engl J Med 2012;366:130-40.
背景:
アメリカでは、1年間におよそ200万人の人が長距離走競技に参加すると
されているが、競技に関連した心停止(CPA)が報告されており
安全性が危惧される。
方法:
アメリカ2000年1月1日~2010年5月31日に行われたフルマラソン
およびハーフマラソン競技に関連するCPAの発生率とアウトカムを評価。
生存者に面接、非生存者に家族の面接をおこなって、診療録の再調査
剖検分析等によりCPAの臨床的特徴を検討。
結果:
ランナー1090万人中、59人(平均 [±SD] 年齢 42±13 歳、男性51人)
がCPAを発症(発生率は参加者10万人あたり0.54、95%CI0.41~0.70)。
CPAの大多数は心血管疾患であった。発生率は、フルマラソン
(1.01、95% CI 0.72~1.38)がハーフマラソン
(0.27,95% CI 0.17~0.43)よりも有意に高く、
男性(0.90,95% CI 0.67~1.18)が
女性(0.16,95% CI 0.07~0.31)よりも有意に高かった。
男性かつフルマラソンランナーでは、10年の研究期間後半部分において
CPA発生率が上昇した。CPA59人のうち、42人(71%)は
致死的であった(10万人あたり 0.39,95% CI 0.28~0.52)。
診療録等の臨床データが得られた31人では、CPAのバイスタンダーCPR、
基礎疾患がHCM以外であることが、生存に対する強力な予測因子だった。
結論:
フルマラソンとハーフマラソンは、CPAと突然死のリスクに関連していた。
CPA、HCMや冠動脈疾患によることがもっとも多いが、主として
男性マラソン参加者に発生している。こういった集団において
CPA発生率は過去10 年間に上昇傾向にある。
Jonathan H. Kim, et al.
Cardiac Arrest during Long-Distance Running Races
N Engl J Med 2012;366:130-40.
背景:
アメリカでは、1年間におよそ200万人の人が長距離走競技に参加すると
されているが、競技に関連した心停止(CPA)が報告されており
安全性が危惧される。
方法:
アメリカ2000年1月1日~2010年5月31日に行われたフルマラソン
およびハーフマラソン競技に関連するCPAの発生率とアウトカムを評価。
生存者に面接、非生存者に家族の面接をおこなって、診療録の再調査
剖検分析等によりCPAの臨床的特徴を検討。
結果:
ランナー1090万人中、59人(平均 [±SD] 年齢 42±13 歳、男性51人)
がCPAを発症(発生率は参加者10万人あたり0.54、95%CI0.41~0.70)。
CPAの大多数は心血管疾患であった。発生率は、フルマラソン
(1.01、95% CI 0.72~1.38)がハーフマラソン
(0.27,95% CI 0.17~0.43)よりも有意に高く、
男性(0.90,95% CI 0.67~1.18)が
女性(0.16,95% CI 0.07~0.31)よりも有意に高かった。
男性かつフルマラソンランナーでは、10年の研究期間後半部分において
CPA発生率が上昇した。CPA59人のうち、42人(71%)は
致死的であった(10万人あたり 0.39,95% CI 0.28~0.52)。
診療録等の臨床データが得られた31人では、CPAのバイスタンダーCPR、
基礎疾患がHCM以外であることが、生存に対する強力な予測因子だった。
結論:
フルマラソンとハーフマラソンは、CPAと突然死のリスクに関連していた。
CPA、HCMや冠動脈疾患によることがもっとも多いが、主として
男性マラソン参加者に発生している。こういった集団において
CPA発生率は過去10 年間に上昇傾向にある。
by otowelt
| 2012-01-13 16:24
| 内科一般