肺癌における陽子線治療
2012年 01月 18日
陽子線治療は、国立がん研究センターの以下のページがわかりやすい。
値段は288万円3千円だそうだ。
http://www.ncc.go.jp/jp/ncce/consultation/pbt.html#01_1
肺癌における陽子線治療の論文がJTOから出ていた。
あくまで現時点でのスタンダードは化学放射線治療であり、
当たり前だが、化学放射線治療を上回るものではないことには
注意しておきたい。
Yoshiko Oshiro, MD, et al.
Results of Proton Beam Therapy without Concurrent Chemotherapy for Patients with Unresectable Stage III Non-small Cell Lung Cancer
J Thorac Oncol. 2012;7: 370–375
背景:
このスタディは、レトロスペクティブにIII期NSCLC患者に対して
陽子線治療単独をおこなった後のアウトカムを評価したものである。
方法:
57人の組織学的にNSCLC、IIIA/IIIB(24人/33人)と診断された
患者を登録。化学療法を併用せずに、陽子線治療を受けてもらった。
32人は扁平上皮癌、18人が腺癌、5人が非小細胞癌であった。
リンパ節転移はN0が7人、N1が5人、N2が30人、N3が15人であった。
陽子線治療は照射50から84.5 GyE (中央値74 GyE)。
結果:
51人(89%)が治療を完遂した。解析時、20人が生存しており
フォローアップ期間中央値は全患者16.2ヶ月、生存者で22.2ヶ月であった。
OS中央値は21.3ヶ月(95%CI14.2–28.4 ヶ月)、1年生存率、2年生存率は
それぞれ65.5% (52.9–78.0%) 、39.4% (25.3–53.5%)であった。
PDが38人にみられ、1年PFS、2年PFSはそれぞれ36.2% (23.1–49.4%)、
24.9% (12.7–37.2%)であった。局所再発が13人に確認され、
1年局所制御率、2年局所制御率はそれぞれ79.1% (66.8–91.3%)、
64.1% (47.5–80.7%)であった。Grade3以上の肺毒性は6人に
観察され、食道毒性はGrade2以下であり、心臓毒性は確認されなかった。
結論:
切除不能III期NSCLC患者の予後は化学療法なしでは不良である。
われわれのデータは、高用量陽子線治療が利益をもたらし
忍容性があることを示した。
値段は288万円3千円だそうだ。
http://www.ncc.go.jp/jp/ncce/consultation/pbt.html#01_1
肺癌における陽子線治療の論文がJTOから出ていた。
あくまで現時点でのスタンダードは化学放射線治療であり、
当たり前だが、化学放射線治療を上回るものではないことには
注意しておきたい。
Yoshiko Oshiro, MD, et al.
Results of Proton Beam Therapy without Concurrent Chemotherapy for Patients with Unresectable Stage III Non-small Cell Lung Cancer
J Thorac Oncol. 2012;7: 370–375
背景:
このスタディは、レトロスペクティブにIII期NSCLC患者に対して
陽子線治療単独をおこなった後のアウトカムを評価したものである。
方法:
57人の組織学的にNSCLC、IIIA/IIIB(24人/33人)と診断された
患者を登録。化学療法を併用せずに、陽子線治療を受けてもらった。
32人は扁平上皮癌、18人が腺癌、5人が非小細胞癌であった。
リンパ節転移はN0が7人、N1が5人、N2が30人、N3が15人であった。
陽子線治療は照射50から84.5 GyE (中央値74 GyE)。
結果:
51人(89%)が治療を完遂した。解析時、20人が生存しており
フォローアップ期間中央値は全患者16.2ヶ月、生存者で22.2ヶ月であった。
OS中央値は21.3ヶ月(95%CI14.2–28.4 ヶ月)、1年生存率、2年生存率は
それぞれ65.5% (52.9–78.0%) 、39.4% (25.3–53.5%)であった。
PDが38人にみられ、1年PFS、2年PFSはそれぞれ36.2% (23.1–49.4%)、
24.9% (12.7–37.2%)であった。局所再発が13人に確認され、
1年局所制御率、2年局所制御率はそれぞれ79.1% (66.8–91.3%)、
64.1% (47.5–80.7%)であった。Grade3以上の肺毒性は6人に
観察され、食道毒性はGrade2以下であり、心臓毒性は確認されなかった。
結論:
切除不能III期NSCLC患者の予後は化学療法なしでは不良である。
われわれのデータは、高用量陽子線治療が利益をもたらし
忍容性があることを示した。
by otowelt
| 2012-01-18 09:30
| 肺癌・その他腫瘍