ASVはCPAPと比較してCSA/CSRとBNPの改善をもたらす
2012年 01月 27日
呼吸器内科医であれば、最近ASVを使うことも増えてきただろう。
実はこのASV、あまり大きな臨床試験がないのが現状。
Pepperell JC, et al. A randomized controlled trial of adaptive ventilation for Cheyne-Stokes breathing in heart failure. Am J Respir Crit Care Med. 2003;168(9):1109-14.
・ASV
CHESTのpublished online before printに
ASVの試験が掲載されていた。
Winfried J. Randerath, et al.
Long-term auto servo-ventilation or constant positive pressure in heart failure and co-existing central with obstructive sleep apnea
Chest Published online before print January 26, 2012, doi: 10.1378/chest.11-2089
背景:
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と中枢性睡眠時無呼吸(CSA)、
チェーンストークス呼吸(CSR)は心不全患者でよくみられる。
持続的陽圧呼吸(CPAP)はCSA/CSRへの臨床的アウトカム改善効果
がある。Auto Servo-Ventilation (ASV)の効果は
心不全患者におけるCSA/CSRを抑制するとされているが、
OSAとCSA/CSR合併例に対する試験はほとんどない。
目的:
心不全患者で睡眠障害呼吸を合併した患者に対する
ASVとCPAPの効果をランダム化対照試験によって
呼吸障害を軽減し、心パラメータを改善するか調べる。
方法:
両群ともBiPAP autoSV®, Respironics, USAを12ヶ月以上使用。
70患者(男性63人、66.3±9.1歳, BMI 31.3±6.0 kg/m2)が
OSAとCSA/CSRの合併、高血圧、冠動脈疾患ないし心筋症とNYHA II-IIIを
有していた。ポリソムノグラフィ、BNP、スパイロメトリー、心エコーが
ベースライン、3ヵ月後、12ヵ月後で検査された。
結果:
どちらのモードの治療も有意に呼吸障害、酸素飽和度の低下、中途覚醒を
改善した。CPAPと比較してASVはthe central AHIを有意に改善
(ベースラインCPAP 21.8±11.7,ASV 23.1±13.2,
12ヶ月CPAP 10.7±8.7, ASV 6.1±7.8, p<0.05)、また、BNPレベルも
改善(ベースラインCPAP 686.7±978.7ng/ml, ASV 537.3±891.8,
12ヶ月CPAP 847.3±1848.1, ASV 230.4±297.4, p<0.05)。
運動耐容能と心エコーパラメータには両群とも差はみられなかった。
結論:
ASVはCPAPと比較してCSA/CSRとBNPの改善をもたらす。
実はこのASV、あまり大きな臨床試験がないのが現状。
Pepperell JC, et al. A randomized controlled trial of adaptive ventilation for Cheyne-Stokes breathing in heart failure. Am J Respir Crit Care Med. 2003;168(9):1109-14.
・ASV
ASVは従来のBiPAPと同様にIPAPとEPAPを設定でき、バックアップ換気の回数も設定することができる。その際にIPAP の最大と最小を設定し直前の呼吸フローから計算し供給圧を自動的に変動させる人工呼吸器である。
CHESTのpublished online before printに
ASVの試験が掲載されていた。
Winfried J. Randerath, et al.
Long-term auto servo-ventilation or constant positive pressure in heart failure and co-existing central with obstructive sleep apnea
Chest Published online before print January 26, 2012, doi: 10.1378/chest.11-2089
背景:
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と中枢性睡眠時無呼吸(CSA)、
チェーンストークス呼吸(CSR)は心不全患者でよくみられる。
持続的陽圧呼吸(CPAP)はCSA/CSRへの臨床的アウトカム改善効果
がある。Auto Servo-Ventilation (ASV)の効果は
心不全患者におけるCSA/CSRを抑制するとされているが、
OSAとCSA/CSR合併例に対する試験はほとんどない。
目的:
心不全患者で睡眠障害呼吸を合併した患者に対する
ASVとCPAPの効果をランダム化対照試験によって
呼吸障害を軽減し、心パラメータを改善するか調べる。
方法:
両群ともBiPAP autoSV®, Respironics, USAを12ヶ月以上使用。
70患者(男性63人、66.3±9.1歳, BMI 31.3±6.0 kg/m2)が
OSAとCSA/CSRの合併、高血圧、冠動脈疾患ないし心筋症とNYHA II-IIIを
有していた。ポリソムノグラフィ、BNP、スパイロメトリー、心エコーが
ベースライン、3ヵ月後、12ヵ月後で検査された。
結果:
どちらのモードの治療も有意に呼吸障害、酸素飽和度の低下、中途覚醒を
改善した。CPAPと比較してASVはthe central AHIを有意に改善
(ベースラインCPAP 21.8±11.7,ASV 23.1±13.2,
12ヶ月CPAP 10.7±8.7, ASV 6.1±7.8, p<0.05)、また、BNPレベルも
改善(ベースラインCPAP 686.7±978.7ng/ml, ASV 537.3±891.8,
12ヶ月CPAP 847.3±1848.1, ASV 230.4±297.4, p<0.05)。
運動耐容能と心エコーパラメータには両群とも差はみられなかった。
結論:
ASVはCPAPと比較してCSA/CSRとBNPの改善をもたらす。
by otowelt
| 2012-01-27 06:18
| 呼吸器その他