SSRIは肺高血圧のリスクを減少させない
2012年 02月 08日
この間BMJから新生児肺高血圧症と妊婦のSSRIの報告があったが、
Helle Kieler, et al.
Selective serotonin reuptake inhibitors during pregnancy and risk of persistent pulmonary hypertension in the newborn: population based cohort study from the five Nordic countries
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.d8012
CHESTから成人のSSRIと肺高血圧の関連について論文が出ている。
本来肺高血圧のリスク軽減のためにおこなった試験だが、
肺高血圧のリスクが上昇したという報告。
この試験デザインでは疫学的なリスク上昇は断言できないので
結論は緩やかな発言にとどめている。
Irfan A. Dhalla, et al.
Selective Serotonin Reuptake Inhibitors and Pulmonary Arterial Hypertension
A Case-Control Study
CHEST 2012; 141(2):348–353
背景:
動物ないしヒトの臨床試験において、選択的セロトニン再取り込み阻害薬
(SSRIs)が、肺高血圧症の予防あるいは治療に有用かもしれないとされている。
方法:
SSRIが肺高血圧のリスクを減らすという仮説を検証するため
症例対照研究を実施。肺高血圧で薬剤治療を要する症例を登録。
それぞれの症例に対して10のマッチコントロールを設定。
SSRI曝露と非SSRI抗不安薬曝露を解析。
肺高血圧で治療を要する症例は、レセプトから判断した。
結果:
460の肺高血圧症例に対して4539人のコントロールを設定。
72.6%が女性であり、平均年齢は65.3歳であった。
citalopramの使用が最も多かった。
われわれの仮説に反して、SSRIの使用と肺高血圧には
多変量解析においてリスク関連性がみられた
(adjusted OR, 1.55; 95% CI, 1.13-2.13)。
結論:
SSRIは肺高血圧のリスクは減少させない。
Helle Kieler, et al.
Selective serotonin reuptake inhibitors during pregnancy and risk of persistent pulmonary hypertension in the newborn: population based cohort study from the five Nordic countries
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.d8012
CHESTから成人のSSRIと肺高血圧の関連について論文が出ている。
本来肺高血圧のリスク軽減のためにおこなった試験だが、
肺高血圧のリスクが上昇したという報告。
この試験デザインでは疫学的なリスク上昇は断言できないので
結論は緩やかな発言にとどめている。
Irfan A. Dhalla, et al.
Selective Serotonin Reuptake Inhibitors and Pulmonary Arterial Hypertension
A Case-Control Study
CHEST 2012; 141(2):348–353
背景:
動物ないしヒトの臨床試験において、選択的セロトニン再取り込み阻害薬
(SSRIs)が、肺高血圧症の予防あるいは治療に有用かもしれないとされている。
方法:
SSRIが肺高血圧のリスクを減らすという仮説を検証するため
症例対照研究を実施。肺高血圧で薬剤治療を要する症例を登録。
それぞれの症例に対して10のマッチコントロールを設定。
SSRI曝露と非SSRI抗不安薬曝露を解析。
肺高血圧で治療を要する症例は、レセプトから判断した。
結果:
460の肺高血圧症例に対して4539人のコントロールを設定。
72.6%が女性であり、平均年齢は65.3歳であった。
citalopramの使用が最も多かった。
われわれの仮説に反して、SSRIの使用と肺高血圧には
多変量解析においてリスク関連性がみられた
(adjusted OR, 1.55; 95% CI, 1.13-2.13)。
結論:
SSRIは肺高血圧のリスクは減少させない。
by otowelt
| 2012-02-08 05:14
| 呼吸器その他