Parkinson病の平衡障害に対して太極拳は有効
2012年 02月 12日
NEJMから、太極拳のスタディ。これはびっくりした。
Wikipediaによれば、太極拳とは
「東洋哲学の重要概念である太極思想を取り入れた拳法で、
形意拳、八卦掌と並んで内家拳の代表的な武術として知られる」
とのことである。
Fuzhong Li, et al.
Tai Chi and Postural Stability in Patients with Parkinson's Disease
N Engl J Med 2012; 366:511-519
背景:
Parkinson病の患者は、強い平衡障害がみられるため
機能的能力の低下、ひいては転倒リスクの増加がみられる。
われわれ医療従事者は、通常では運動療法を推奨するが
これについて効果が実証されたプログラムはほとんどない。
方法:
ランダム化試験で、個別化された太極拳プログラムにより
特発性Parkinson病患者の姿勢制御が改善するか検討。
Yahrの重症度分類1~4 のParkinson病195人を次の3群の
いずれかにランダムに割り付けた。
・太極拳群
・抵抗トレーニング群
・ストレッチ群
患者は、60分運動セッションに週2回合計24週間参加。
プライマリアウトカムは、ベースラインからの変化量
(maximum excursion and directional control; range, 0 to 100%)
セカンダリアウトカムは、歩行と筋力測定値、
機能的リーチテストと timed up-and-go tests、
Unified Parkinson's Disease Rating Scaleの運動スコア、
転倒回数など。
結果:
太極拳群では、抵抗トレーニング群、ストレッチ群と比べて
maximum excursion:最大変位(ベースラインからの変化量の
群間差はそれぞれ5.55%ポイント、95%CI 1.12~9.97;
11.98%ポイント、95% CI 7.21~16.74)、および方向制御
(それぞれ10.45%ポイント、95%CI 3.89~17.00;
11.38%ポイント,95% CI 5.50~17.27)の効果が優れていた。
太極拳群では、すべてのセカンダリアウトカムが
ストレッチ群よりも優れており、ストライド長と
機能的リーチの成績は抵抗トレーニング群よりも優れていた。
太極拳群の転倒発生率は、ストレッチ群と比較すると低かったが、
抵抗トレーニング群との間では有意に低くはなかった。
結論:
太極拳により、軽度~中等度のParkinson病患者の
平衡障害が軽減し、また運動耐容能の改善と転倒の減少が
観察された。
Wikipediaによれば、太極拳とは
「東洋哲学の重要概念である太極思想を取り入れた拳法で、
形意拳、八卦掌と並んで内家拳の代表的な武術として知られる」
とのことである。
Fuzhong Li, et al.
Tai Chi and Postural Stability in Patients with Parkinson's Disease
N Engl J Med 2012; 366:511-519
背景:
Parkinson病の患者は、強い平衡障害がみられるため
機能的能力の低下、ひいては転倒リスクの増加がみられる。
われわれ医療従事者は、通常では運動療法を推奨するが
これについて効果が実証されたプログラムはほとんどない。
方法:
ランダム化試験で、個別化された太極拳プログラムにより
特発性Parkinson病患者の姿勢制御が改善するか検討。
Yahrの重症度分類1~4 のParkinson病195人を次の3群の
いずれかにランダムに割り付けた。
・太極拳群
・抵抗トレーニング群
・ストレッチ群
患者は、60分運動セッションに週2回合計24週間参加。
プライマリアウトカムは、ベースラインからの変化量
(maximum excursion and directional control; range, 0 to 100%)
セカンダリアウトカムは、歩行と筋力測定値、
機能的リーチテストと timed up-and-go tests、
Unified Parkinson's Disease Rating Scaleの運動スコア、
転倒回数など。
結果:
太極拳群では、抵抗トレーニング群、ストレッチ群と比べて
maximum excursion:最大変位(ベースラインからの変化量の
群間差はそれぞれ5.55%ポイント、95%CI 1.12~9.97;
11.98%ポイント、95% CI 7.21~16.74)、および方向制御
(それぞれ10.45%ポイント、95%CI 3.89~17.00;
11.38%ポイント,95% CI 5.50~17.27)の効果が優れていた。
太極拳群では、すべてのセカンダリアウトカムが
ストレッチ群よりも優れており、ストライド長と
機能的リーチの成績は抵抗トレーニング群よりも優れていた。
太極拳群の転倒発生率は、ストレッチ群と比較すると低かったが、
抵抗トレーニング群との間では有意に低くはなかった。
結論:
太極拳により、軽度~中等度のParkinson病患者の
平衡障害が軽減し、また運動耐容能の改善と転倒の減少が
観察された。
by otowelt
| 2012-02-12 20:13
| 内科一般