fidaxomicinはC.difficile感染症の治療においてバンコマイシンに非劣性
2012年 02月 15日
フィダキソマイシンについては過去にもいくつか紹介した。
・fidaxomicinによるC. difficile感染症治療は有効かつ再発率が低い
・Fidaxomicin (FDX)はC.difficile関連腸炎においてバンコマイシンより有用
Lancet infectious diseasesから。
Oliver A Cornely, et al.
Fidaxomicin versus vancomycin for infection with Clostridium difficile in Europe, Canada, and the USA: a double-blind, non-inferiority, randomised controlled trial
The Lancet Infectious Diseases, Early Online Publication, 8 February 2012
背景:
Clostridium difficileの感染は抗菌薬関連下痢症における
最も多い原因である。われわれは、フィダキソマイシン(fidaxomicin)と
バンコマイシンのC.difficile感染の治療に対する効果と安全性を
ヨーロッパ、カナダ、アメリカにおいて比較した。
方法:
この多施設共同二重盲検ランダム化非劣性試験において
われわれはヨーロッパ45の地域、アメリカとカナダから41の地域を
2007年4月19日から2009年12月11日の間患者を登録した。
登録患者は16歳以上で急性発症のC.difficile感染があり
トキシンが陽性であることとした。患者はランダムに経口フィダキソマイシン
(200 mg every 12 h)とバンコマイシン(125 mg every 6 h)に10日間
割りつけられた。プライマリエンドポイントは臨床的治癒、すなわち下痢の軽快と
継続治療の不要性と定義された。改訂ITT解析とper-protocol解析を実施。
このスタディはClinicalTrials.gov, number NCT00468728に登録。
結果:
535人の患者が登録され、270人がフィダキソマイシン群、
265人がバンコマイシン群に割りつけられた。26人の患者が除外され
509人が改訂ITT解析対象となった。フィダキソマイシン投与のper-protocol
において216人中198人(91.7%)が軽快したのに対して、バンコマイシン群で
235人中213人(90.6%)が軽快。非劣性マージンの基準を満たした
(one-sided 97.5% CI −4·3%)。非劣性は改訂ITTでの臨床的治癒でも
確認され、フィダキソマイシン252人中221人(87.7%)、
バンコマイシン257人中223人(86.8%) で軽快。プライマリエンドポイント解析
におけるほとんどのサブグループ解析では、両群間に差がみられなかった。
しかしながら、他の感染症に対して同時に抗菌薬を併用していた場合では、
フィダキソマイシンの方が高い治癒率であった(フィダキソマイシン群
51人中46人[90·2%] vs バンコマイシン45人中33人[73·3%]; p=0·031)。
副作用についても特に両群ともに差はみられず。
結論:
フィダキソマイシンはC.difficile感染治療において
バンコマイシンと同等の効果と安全性があるため、代替薬となりうる。
・fidaxomicinによるC. difficile感染症治療は有効かつ再発率が低い
・Fidaxomicin (FDX)はC.difficile関連腸炎においてバンコマイシンより有用
Lancet infectious diseasesから。
Oliver A Cornely, et al.
Fidaxomicin versus vancomycin for infection with Clostridium difficile in Europe, Canada, and the USA: a double-blind, non-inferiority, randomised controlled trial
The Lancet Infectious Diseases, Early Online Publication, 8 February 2012
背景:
Clostridium difficileの感染は抗菌薬関連下痢症における
最も多い原因である。われわれは、フィダキソマイシン(fidaxomicin)と
バンコマイシンのC.difficile感染の治療に対する効果と安全性を
ヨーロッパ、カナダ、アメリカにおいて比較した。
方法:
この多施設共同二重盲検ランダム化非劣性試験において
われわれはヨーロッパ45の地域、アメリカとカナダから41の地域を
2007年4月19日から2009年12月11日の間患者を登録した。
登録患者は16歳以上で急性発症のC.difficile感染があり
トキシンが陽性であることとした。患者はランダムに経口フィダキソマイシン
(200 mg every 12 h)とバンコマイシン(125 mg every 6 h)に10日間
割りつけられた。プライマリエンドポイントは臨床的治癒、すなわち下痢の軽快と
継続治療の不要性と定義された。改訂ITT解析とper-protocol解析を実施。
このスタディはClinicalTrials.gov, number NCT00468728に登録。
結果:
535人の患者が登録され、270人がフィダキソマイシン群、
265人がバンコマイシン群に割りつけられた。26人の患者が除外され
509人が改訂ITT解析対象となった。フィダキソマイシン投与のper-protocol
において216人中198人(91.7%)が軽快したのに対して、バンコマイシン群で
235人中213人(90.6%)が軽快。非劣性マージンの基準を満たした
(one-sided 97.5% CI −4·3%)。非劣性は改訂ITTでの臨床的治癒でも
確認され、フィダキソマイシン252人中221人(87.7%)、
バンコマイシン257人中223人(86.8%) で軽快。プライマリエンドポイント解析
におけるほとんどのサブグループ解析では、両群間に差がみられなかった。
しかしながら、他の感染症に対して同時に抗菌薬を併用していた場合では、
フィダキソマイシンの方が高い治癒率であった(フィダキソマイシン群
51人中46人[90·2%] vs バンコマイシン45人中33人[73·3%]; p=0·031)。
副作用についても特に両群ともに差はみられず。
結論:
フィダキソマイシンはC.difficile感染治療において
バンコマイシンと同等の効果と安全性があるため、代替薬となりうる。
by otowelt
| 2012-02-15 05:49
| 感染症全般