気管支喘息における洞窟療法(岩塩)
2012年 02月 22日
ザ!世界仰天ニュースというテレビ番組で
岩塩坑に作られた地下288mの病院で
岩塩による閉鎖空間が喘息などのアレルギー疾患を
寛解させるという内容が紹介されていた。
呼吸器内科医のはしくれとして、その機序が
知りたかったのだが、どうやらよくわからないらしい。
PubMedで"asthma"+"rock salt" or "salt mine"で検索したところ
いくつかヒットした。
検索して気付いたのだが、どうやらこういった治療を
speleptherapy(洞窟療法)というらしい。
改めて上記の専門用語で検索したところ、喘息に関連したものは
英語文献に限定するといくつかヒットした。
結論的には、よくわからなかった・・・。
Horvath T.
Speleotherapy: a special kind of climatotherapy, its role in respiratory rehabilitation.
Int Rehabil Med. 1986;8(2):90-2.
4000人以上の小児喘息を治療した経験を記録したハンガリーの論文だが、
Abstractには肝心の結果が記載されていない。
Karakoca Y,et al.
Speleotherapy in asthma and allergic diseases.
Clin Exp Allergy. 1995 Jul;25(7):666-7.
読めない。
Beamon S,
Speleotherapy for asthma.
Cochrane Database Syst Rev. 2001;(2):CD001741.
コクランデータベースのレビュー。
背景:
洞窟療法は、慢性閉塞性気道疾患の治療選択肢の1つである。
イギリスやアメリカにおいて認知されていないが、中東ヨーロッパ
において認知されている。
目的:
喘息治療における洞窟療法の効果のエビデンスをレビューする。
方法:
電子データベース(Medline, Embase, Cochrane Airways database)、
洞窟療法センターや専門家への連絡、会報のハンドサーチ、
信頼できる出版の文献目録のチェック等。
洞窟療法とその他の介入あるいは非介入を比較した慢性喘息に対する
対照化試験を本レビューへ登録。
患者情報、介入、結果、試験手法が2人の独立したレビュアーにより検証。
結果:
3試験124人の喘息小児が基準を満たしたが、
1試験のみが理想的な試験手法とクオリティであった。
2試験は洞窟療法の短期的治療での呼吸機能の利益をみたものであった。
他のアウトカムは信頼できる手法で解析されていなかった。
2000年7月にさらなる検索をおこない、1論文がさらに除外された。
結論:
現時点では信頼できる結論を導き出すほどのエビデンスは
洞窟療法にはないものと考えられる。
長期フォローアップによるランダム化比較試験が望まれる。
岩塩坑に作られた地下288mの病院で
岩塩による閉鎖空間が喘息などのアレルギー疾患を
寛解させるという内容が紹介されていた。
呼吸器内科医のはしくれとして、その機序が
知りたかったのだが、どうやらよくわからないらしい。
PubMedで"asthma"+"rock salt" or "salt mine"で検索したところ
いくつかヒットした。
検索して気付いたのだが、どうやらこういった治療を
speleptherapy(洞窟療法)というらしい。
改めて上記の専門用語で検索したところ、喘息に関連したものは
英語文献に限定するといくつかヒットした。
結論的には、よくわからなかった・・・。
Horvath T.
Speleotherapy: a special kind of climatotherapy, its role in respiratory rehabilitation.
Int Rehabil Med. 1986;8(2):90-2.
4000人以上の小児喘息を治療した経験を記録したハンガリーの論文だが、
Abstractには肝心の結果が記載されていない。
Karakoca Y,et al.
Speleotherapy in asthma and allergic diseases.
Clin Exp Allergy. 1995 Jul;25(7):666-7.
読めない。
Beamon S,
Speleotherapy for asthma.
Cochrane Database Syst Rev. 2001;(2):CD001741.
コクランデータベースのレビュー。
背景:
洞窟療法は、慢性閉塞性気道疾患の治療選択肢の1つである。
イギリスやアメリカにおいて認知されていないが、中東ヨーロッパ
において認知されている。
目的:
喘息治療における洞窟療法の効果のエビデンスをレビューする。
方法:
電子データベース(Medline, Embase, Cochrane Airways database)、
洞窟療法センターや専門家への連絡、会報のハンドサーチ、
信頼できる出版の文献目録のチェック等。
洞窟療法とその他の介入あるいは非介入を比較した慢性喘息に対する
対照化試験を本レビューへ登録。
患者情報、介入、結果、試験手法が2人の独立したレビュアーにより検証。
結果:
3試験124人の喘息小児が基準を満たしたが、
1試験のみが理想的な試験手法とクオリティであった。
2試験は洞窟療法の短期的治療での呼吸機能の利益をみたものであった。
他のアウトカムは信頼できる手法で解析されていなかった。
2000年7月にさらなる検索をおこない、1論文がさらに除外された。
結論:
現時点では信頼できる結論を導き出すほどのエビデンスは
洞窟療法にはないものと考えられる。
長期フォローアップによるランダム化比較試験が望まれる。
by otowelt
| 2012-02-22 22:33
| 気管支喘息・COPD