小児の尿路感染症予防にクランベリージュースは部分的に有効かもしれない
2012年 03月 05日
過去に尿路感染症におけるクランベリージュースのランダム化試験を紹介した。
・尿路感染症の再発予防にクランベリージュースは無効
小児の尿路感染症におけるクランベリージュースの論文が
また出ていたので読んでみた。
とりあえず個人的な結論としては、
そこまでクランベリージュースにこだわらなくてもいいだろう、と思っている。
R-1ヨーグルトみたいにクランベリージュースが日本でバカ売れしないのは
尿路感染症がマイナーすぎるのと、日本の業者がからんでないせいだろうか。
Jarmo Salo, et al.
Cranberry Juice for the Prevention of Recurrences of Urinary Tract Infections in
Children: A Randomized Placebo-Controlled Trial
Clin Infect Dis. (2011) doi: 10.1093/cid/cir801
背景:
クランベリージュースは成人女性の再発性尿路感染症を予防する。
このスタディの目的は小児におけるクランベリージュースの尿路感染症予防
を調べることである。
方法:
フィンランドの7施設において二重盲検ランダム化プラセボ対照試験を実施。
1-16歳で4大学、3つの中核病院に最近2ヶ月以内に尿路感染症と診断された
263名を登録した。GradeIII-IVのVURがある小児は除外された。
クランベリージュース129人、ただのジュース134人に割りつけられ
6ヶ月間服用した。尿路感染症症状が出た場合、受診して
標準的な抗菌薬治療をおこなってもよいものとした。
263人のうち8人がプロトコールを逸脱したため、255人を解析に組み込んだ。
結果:
クランベリージュース群で20人(16%)が12ヶ月以内に尿路感染症を発症、
プラセボジュース群は28人(22%)で、有意差はなかった
(difference, −6%; 95% CI, −16 to 4%; P = .21)。
発症時期についても差はみられなかった(P=.32)。しかし、
総発症数とincidence density per person-year at risk(0.16 episodes)は
クランベリージュース群で有意に低かった(95% CI, −.31 to -.01; P = .035)。
抗菌薬内服期間もクランベリージュース群で少なかった
(−6 days per patient-year; 95% CI, −7 to −5; P < .001)。
結論:
小児における再発尿路感染症予防において有意にクランベリージュースが優れて
いるとは言えないが、 実数と抗菌薬の使用の観点からは有用かもしれない。
・尿路感染症の再発予防にクランベリージュースは無効
小児の尿路感染症におけるクランベリージュースの論文が
また出ていたので読んでみた。
とりあえず個人的な結論としては、
そこまでクランベリージュースにこだわらなくてもいいだろう、と思っている。
R-1ヨーグルトみたいにクランベリージュースが日本でバカ売れしないのは
尿路感染症がマイナーすぎるのと、日本の業者がからんでないせいだろうか。
Jarmo Salo, et al.
Cranberry Juice for the Prevention of Recurrences of Urinary Tract Infections in
Children: A Randomized Placebo-Controlled Trial
Clin Infect Dis. (2011) doi: 10.1093/cid/cir801
背景:
クランベリージュースは成人女性の再発性尿路感染症を予防する。
このスタディの目的は小児におけるクランベリージュースの尿路感染症予防
を調べることである。
方法:
フィンランドの7施設において二重盲検ランダム化プラセボ対照試験を実施。
1-16歳で4大学、3つの中核病院に最近2ヶ月以内に尿路感染症と診断された
263名を登録した。GradeIII-IVのVURがある小児は除外された。
クランベリージュース129人、ただのジュース134人に割りつけられ
6ヶ月間服用した。尿路感染症症状が出た場合、受診して
標準的な抗菌薬治療をおこなってもよいものとした。
263人のうち8人がプロトコールを逸脱したため、255人を解析に組み込んだ。
結果:
クランベリージュース群で20人(16%)が12ヶ月以内に尿路感染症を発症、
プラセボジュース群は28人(22%)で、有意差はなかった
(difference, −6%; 95% CI, −16 to 4%; P = .21)。
発症時期についても差はみられなかった(P=.32)。しかし、
総発症数とincidence density per person-year at risk(0.16 episodes)は
クランベリージュース群で有意に低かった(95% CI, −.31 to -.01; P = .035)。
抗菌薬内服期間もクランベリージュース群で少なかった
(−6 days per patient-year; 95% CI, −7 to −5; P < .001)。
結論:
小児における再発尿路感染症予防において有意にクランベリージュースが優れて
いるとは言えないが、 実数と抗菌薬の使用の観点からは有用かもしれない。
by otowelt
| 2012-03-05 06:29
| 感染症全般