IPFにおけるFVC10%以上の減少の相対的計算は予後予測に正確
2012年 03月 23日
Luca Richeldi, et al.
Relative versus absolute change in forced vital capacity in idiopathic pulmonary fibrosis
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2011-201184
背景:
FVCの減少は長らくIPF患者の死亡を予測する因子として
信頼されてきた。臨床プラクティスにおける使用でも
推奨されてはいるが、相対的減少か絶対的減少か
どちらが死亡予測に関して有用であるかはわかっていない。
方法:
IPF患者において、ベースラインと12ヵ月後の
FVCデータがある2つのプロスペクティブコホートが
組み込まれた。10%以上のFVC減少は2方法で
計算された。すなわち、
相対的10%減少(eg, from 60% predicted to 54% predicted)
絶対的10%減少(eg, from 60% predicted to 50% predicted)
である。予測値が60%である場合、その10%は6%になるので
60-6=54%ということになる。
また絶対値での10%は60-10=50%ということを意味している。
2年の無臓器移植12ヶ月生存率を比較した。
結果:
いかなるFVC10%以上の減少においても
相対的変化を用いた方が大きかった。
両計算法ともに、2年の無臓器移植12ヶ月生存率に同様の正確性が
あり、ベースライン特性を補正した後も有意差がみられた。
絶対的計算法は5%以上の減少でも予測性がある。
結論:
FVCの相対的な変化を用いて10%以上の減少を同定
することで、予後推定の正確性を損なうことなく
減少変化を最大に同定することができると考えられる。
FVC5%以上の減少という基準は恒常性がない(not hold true)。
これらの知見は、臨床試験をデザインする上でも
重要なものである。
Relative versus absolute change in forced vital capacity in idiopathic pulmonary fibrosis
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2011-201184
背景:
FVCの減少は長らくIPF患者の死亡を予測する因子として
信頼されてきた。臨床プラクティスにおける使用でも
推奨されてはいるが、相対的減少か絶対的減少か
どちらが死亡予測に関して有用であるかはわかっていない。
方法:
IPF患者において、ベースラインと12ヵ月後の
FVCデータがある2つのプロスペクティブコホートが
組み込まれた。10%以上のFVC減少は2方法で
計算された。すなわち、
相対的10%減少(eg, from 60% predicted to 54% predicted)
絶対的10%減少(eg, from 60% predicted to 50% predicted)
である。予測値が60%である場合、その10%は6%になるので
60-6=54%ということになる。
また絶対値での10%は60-10=50%ということを意味している。
2年の無臓器移植12ヶ月生存率を比較した。
結果:
いかなるFVC10%以上の減少においても
相対的変化を用いた方が大きかった。
両計算法ともに、2年の無臓器移植12ヶ月生存率に同様の正確性が
あり、ベースライン特性を補正した後も有意差がみられた。
絶対的計算法は5%以上の減少でも予測性がある。
結論:
FVCの相対的な変化を用いて10%以上の減少を同定
することで、予後推定の正確性を損なうことなく
減少変化を最大に同定することができると考えられる。
FVC5%以上の減少という基準は恒常性がない(not hold true)。
これらの知見は、臨床試験をデザインする上でも
重要なものである。
by otowelt
| 2012-03-23 06:04
| びまん性肺疾患