NSCLCにおける血清CYFRAは治療反応性に相関する

スタディ規模が小さいので参考程度に読んでみた。
Abstractには記載されていないが、CYFRAの減少は
log CYFRAの27%減少を意味している。

Edelman, Martin J, et al.
CYFRA 21-1 as a Prognostic and Predictive Marker in Advanced Non–Small-Cell Lung Cancer in a Prospective Trial: CALGB 150304
Journal of Thoracic Oncology: April 2012 - Volume 7 - Issue 4 - p 649–654


背景:
 サイトケラチン19とその可溶性フラグメントであるCYFRAは
 非小細胞肺癌における治療反応性と生存に関連マーカーで
 あると考えられてきた。進行非小細胞肺癌におけるII相試験
 (カルボプラチン・ゲムシタンにエイコサノイドモデュレーターである
 celecoxib, zileuton, あるいはその両方を組み合わせたもの
 を併用した試験)において、血清CYFRAレベルが治療前・治療中に
 採取された。

方法:
 血清CYFRAレベルはベースライン時と、1コース目の治療後に測定された。
 88の患者においてペアの検体が解析有用であった。初期血中濃度の
 対数と血中濃度差をOS、FFS(failure free survival)と関連づけて解析。

結果:
 ベースラインCYFRAレベルが低いと、OS、FFSの延長がみられた
 (p < 0.0001 and p = 0.0003)。加えて、CYFRAレベルの
 大きな減少もOSとFFSの延長に関連していた(p = 0.0255 and p = 0.0068)。

結論:
 血清CYFRAレベルとCYFRAの変化は、非小細胞肺癌における
 化学療法反応性の信頼性のあるマーカーである。しかしながら、
 その正確な血清レベル閾値はまだ同定されていない。
by otowelt | 2012-03-28 09:22 | 肺癌・その他腫瘍

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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