院外心肺停止におけるエピネフリン投与は本当に妥当か
2012年 03月 29日
Editorialで絶賛されているスタディ。
Akihito Hagihara, et al.
Prehospital Epinephrine Use and Survival Among Patients With Out-of-Hospital Cardiac Arrest
JAMA. 2012;307(11):1161-1168
背景:
エピネフリンは、院外心肺停止:out-of-hospital cardiac arrest
(OHCA)における心配蘇生において広く使用されている。しかしながら
病院到着前におけるエピネフリンの効果の効果については
まだよくわかっていない。
目的:
非ランダム化デザインのプロスペクティブ観察研究および
propensity scoreマッチングを用い、
院外心停止のCPRにおける有効性を検討。
方法:
ウツタイン様式による全国の院外心停止例登録システムを利用。
2005~2008年の院外心停止例417188例が解析された。
アウトカム:
病院到着前の自己心拍再開、心肺停止後1ヶ月生存率、
神経学的予後良好(Cerebral Performance Category 1または2)
での生存率、全身予後良好(Overall Performance Category 1または2)
での生存率とした。
結果:
病院到着前の自発心拍再開率は、エピネフリン投与群において
15030例中2786例(18.5%)で、非投与群であった
402158例中23042例(5.7%)に比べ有意に高いものであった
(P<0.001)。propensity scoreでは、エピネフリン群、
非投与群のそれぞれ13041例をマッチングによる解析においても
エピネフリンの自発心拍再開率は有意に高いことがわかった
(18.3%vs.10.5%、P<0.001)。心肺蘇生から1ヶ月目における、
生存率、神経学的予後良好な生存率、全身予後良好な生存率が
得られた患者の割合は、
生存率:
エピネフリン群805例(5.4%)、非投与群18906例(4.7%)
神経学的予後良好な生存率:
エピネフリン群205例(1.4%)、非投与群8903例(2.2%)
全身予後良好な生存率:
エピネフリン群211例(1.4%)、非投与群8831例(2.2%)
すなわち、生存率はエピネフリン群で有意に高かったが、
神経学的予後ないしは全身機能の予後良好による生存率では
エピネフリン群が非投与群を有意に下回る結果となった(P<0.001)。
propensity scoreの解析でも同様であった。また、
結論:
日本における院外心肺停止患者において
末梢エピネフリン投与は有意に病院到着前の
自己心拍再開と関連していたが、
心肺停止後1ヶ月の機能アウトカムには負の相関がみられた。
Akihito Hagihara, et al.
Prehospital Epinephrine Use and Survival Among Patients With Out-of-Hospital Cardiac Arrest
JAMA. 2012;307(11):1161-1168
背景:
エピネフリンは、院外心肺停止:out-of-hospital cardiac arrest
(OHCA)における心配蘇生において広く使用されている。しかしながら
病院到着前におけるエピネフリンの効果の効果については
まだよくわかっていない。
目的:
非ランダム化デザインのプロスペクティブ観察研究および
propensity scoreマッチングを用い、
院外心停止のCPRにおける有効性を検討。
方法:
ウツタイン様式による全国の院外心停止例登録システムを利用。
2005~2008年の院外心停止例417188例が解析された。
アウトカム:
病院到着前の自己心拍再開、心肺停止後1ヶ月生存率、
神経学的予後良好(Cerebral Performance Category 1または2)
での生存率、全身予後良好(Overall Performance Category 1または2)
での生存率とした。
結果:
病院到着前の自発心拍再開率は、エピネフリン投与群において
15030例中2786例(18.5%)で、非投与群であった
402158例中23042例(5.7%)に比べ有意に高いものであった
(P<0.001)。propensity scoreでは、エピネフリン群、
非投与群のそれぞれ13041例をマッチングによる解析においても
エピネフリンの自発心拍再開率は有意に高いことがわかった
(18.3%vs.10.5%、P<0.001)。心肺蘇生から1ヶ月目における、
生存率、神経学的予後良好な生存率、全身予後良好な生存率が
得られた患者の割合は、
生存率:
エピネフリン群805例(5.4%)、非投与群18906例(4.7%)
神経学的予後良好な生存率:
エピネフリン群205例(1.4%)、非投与群8903例(2.2%)
全身予後良好な生存率:
エピネフリン群211例(1.4%)、非投与群8831例(2.2%)
すなわち、生存率はエピネフリン群で有意に高かったが、
神経学的予後ないしは全身機能の予後良好による生存率では
エピネフリン群が非投与群を有意に下回る結果となった(P<0.001)。
propensity scoreの解析でも同様であった。また、
結論:
日本における院外心肺停止患者において
末梢エピネフリン投与は有意に病院到着前の
自己心拍再開と関連していたが、
心肺停止後1ヶ月の機能アウトカムには負の相関がみられた。
by otowelt
| 2012-03-29 12:01
| 救急