結核治療における不適切処方は多い

これはAbstractしか読んでないので、
スタディの抽出の流れが妥当なのかよくわかりません。

M.W. Langendam, et al.
Prevalence of inappropriate tuberculosis treatment regimens: a systematic review
Eur Respir J 2012; 39: 1012–1020


背景:
 新規抗結核薬の成功の裏では、その耐性獲得が懸念されるところである。
 WHO治療ガイドラインで推奨されているような適切なレジメンを使用を
 使用することで、耐性は予防できる。
 われわれは、不適切な抗結核薬処方の頻度を調べるため
 システマティックレビューをおこなった。

方法:
 MEDLINE, EMBASE、他のデータベースから2011年1月時点で信頼性のある
 記事を抽出した。2000年から出版されたTB治療を受けた患者を含む観察研究が
 選ばれた。治療レジメンのうちWHOが推奨しているレジメンではないものを
 不適切なものとした。

結果:
 不適切なレジメンを受けた患者の割合は、
 0.4%から100%と非常にバラつきがあった。
 19の試験において、治療レジメン報告のクオリティは低かった。
 不適切治療のアセスメントは報告クオリティの低さに阻まれたものの
 われわれのデータでは、結核治療レジメンにおける不適切処方の数は
 相当数にのぼることが示唆された。そのため、新規薬剤が不適切に
 使用される可能性が示唆され、いくらWHO治療ガイドラインがあろうとも
 耐性化リスクは高いと考えられる。

結論:
 この論文はWHOの結核治療ガイドラインの遂行の改善必要性を
 うったえかけるものである。
by otowelt | 2012-04-03 04:26 | 抗酸菌感染症

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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