Stephen J. Swanson, et al.
Albendazole Therapy and Enteric Parasites in United States–Bound Refugees
N Engl J Med 2012; 366:1498-1507
背景:
CDCは、1999年5月1日よりアメリカへの難民の腸管寄生虫感染治療
として、出発前に海外でのアルベンダゾール(600 mg)の単回投与を
行うことをすすめている。
方法:
アフリカ→アメリカへの難民と東南アジア→アメリカへの難民において
1993~2007年にミネソタ州に定住したときの便検査で
腸管寄生虫のスクリーニングを受けた合計26956人を対象にして
後ろ向きコホート研究を実施。CDC が出発前アルベンダゾール治療を
すすめる前に移住した難民と、すすめた後に移住した難民とを比べて
以下の病原体における補正保有率を算出した。
nematodes (Ascaris lumbricoides, hookworm
[Necator americanus and Ancylostoma duodenale],
whipworm [Trichuris trichiura], and Strongyloides stercoralis),
giardia, entamoeba complex (Entamoeba histolytica,
E. moshkovskii, and E. dispar), schistosoma species
結果:
未治療難民4370人において、20.8%が糞線虫を少なくとも1種類保有。
鉤虫(9.2%)がもっとも頻度が多かった。アルベンダゾールを投与された
難民22586人では、線虫を1種類以上保有していたのは4.7%のみで
鞭虫(3.9%)がもっとも多かった。性別・年齢・地域で補正すると、
アルベンダゾール治療を受けた難民は、未治療難民より
線虫(保有率比 0.19)、回虫(保有率比 0.06)、鉤虫(保有率比 0.07)、
鞭虫(保有率比 0.27)を有する頻度が低かったものの、giardia, entamoeba
の保有頻度は低くなかった。住血吸虫卵はアフリカ難民にのみ検出。
アルベンダゾールの導入以後、アフリカ難民17011人で頻度の高かった
病原体は、giardia(5.7%)、鞭虫(5.0%)、住血吸虫(1.8%)、
東南アジア難民5575人では、giardiaのみが保有率が高かった(17.2%)。
結論:
アメリカへの難民に対する出国前アルベンダゾールは、
アフリカ・東南アジア難民における腸管寄生線虫の保有率の低下と関連。
Albendazole Therapy and Enteric Parasites in United States–Bound Refugees
N Engl J Med 2012; 366:1498-1507
背景:
CDCは、1999年5月1日よりアメリカへの難民の腸管寄生虫感染治療
として、出発前に海外でのアルベンダゾール(600 mg)の単回投与を
行うことをすすめている。
方法:
アフリカ→アメリカへの難民と東南アジア→アメリカへの難民において
1993~2007年にミネソタ州に定住したときの便検査で
腸管寄生虫のスクリーニングを受けた合計26956人を対象にして
後ろ向きコホート研究を実施。CDC が出発前アルベンダゾール治療を
すすめる前に移住した難民と、すすめた後に移住した難民とを比べて
以下の病原体における補正保有率を算出した。
nematodes (Ascaris lumbricoides, hookworm
[Necator americanus and Ancylostoma duodenale],
whipworm [Trichuris trichiura], and Strongyloides stercoralis),
giardia, entamoeba complex (Entamoeba histolytica,
E. moshkovskii, and E. dispar), schistosoma species
結果:
未治療難民4370人において、20.8%が糞線虫を少なくとも1種類保有。
鉤虫(9.2%)がもっとも頻度が多かった。アルベンダゾールを投与された
難民22586人では、線虫を1種類以上保有していたのは4.7%のみで
鞭虫(3.9%)がもっとも多かった。性別・年齢・地域で補正すると、
アルベンダゾール治療を受けた難民は、未治療難民より
線虫(保有率比 0.19)、回虫(保有率比 0.06)、鉤虫(保有率比 0.07)、
鞭虫(保有率比 0.27)を有する頻度が低かったものの、giardia, entamoeba
の保有頻度は低くなかった。住血吸虫卵はアフリカ難民にのみ検出。
アルベンダゾールの導入以後、アフリカ難民17011人で頻度の高かった
病原体は、giardia(5.7%)、鞭虫(5.0%)、住血吸虫(1.8%)、
東南アジア難民5575人では、giardiaのみが保有率が高かった(17.2%)。
結論:
アメリカへの難民に対する出国前アルベンダゾールは、
アフリカ・東南アジア難民における腸管寄生線虫の保有率の低下と関連。