呼吸器学会総会2012:エルロチニブ代謝物グルクロン酸抱合体の代謝比によりGrade3以上の毒性発現が予測可能

呼吸器学会総会で気になった報告。
肺癌学会総会でも発表されていたように思う。

背景:
 血中のエルロチニブ濃度は2%以下と低く、
 未変化体の血中濃度のみで、副作用を予測することはできない。

目的:
 非小細胞肺癌(NSCLC)で、血中エルロチニブ代謝物のうち、
 エルロチニブの副作用とされている皮膚障害あるいは肝障害の
 発現と関連のあるものをサーベイする。

方法:
 対象はNSCLC患者50人。
 エルロチニブ150mg/日を投与し、血中エルロチニブとその代謝物を測定。
 血中エルロチニブおよび関連代謝物はhigh-performance liquid
 chromatography-tandem mass spectrometry(LC-MS/MS)で測定。
 day8以降の血中濃度安定期での代謝物を解析し、
 未変化体エルロチニブ/代謝物比を評価した。

結果:
 エルロチニブ代謝物として13種類が同定され、このうち酸化体8種類、
 硫酸体1種類では毒性との関連性がなかった。
 グルクロン酸抱合体(4種類)では、未変化体エルロチニブ/代謝物比と
 Grade3皮膚障害および肝障害との関連性がみられた(OR22.1、p=0.0037)。
 ROCの解析で、Grade3以上の毒性に対し、グルクロン酸抱合体の代謝比は
 感度、特異度が高かった(AUC=0.838)。

結論:
 エルロチニブを使用するNSCLC患者のいて
 グルクロン酸抱合体の代謝比によりGrade3以上の毒性発現が予測可能である。
by otowelt | 2012-04-24 06:48 | 肺癌・その他腫瘍

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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