ATS2012:COPD患者における喀痰中の緑膿菌陽性は予後不良因子の可能性
2012年 05月 24日

これはさすがに登録患者数が少なすぎるか。
M.O. Jamil, et al.
Acquistion Of Pseudomonas Aeruginosa Is Associated With Adverse Clinical Outcomes In COPD
Session D105, May 23, Abstract 27711
背景:
緑膿菌はCOPD患者の喀痰の4-15%で検出される。このクロスセクショナルスタディにおいて、緑膿菌の分離がCOPD重症度と相関するかどうか検証したものである。
方法:
われわれはプロスペクティブ試験において177人のCOPD患者を登録した(Buffalo Veterans Affairs Medical Center、Mar 1994 to Jan 2011)。患者は1ヶ月に一度クリニックを受診し、喀痰サンプルを採取された。6ヶ月未満のフォローしかできなかった患者は除外した。われわれは、少なくとも1度でも緑膿菌が検出された患者を”陽性”とカテゴリーした。緑膿菌獲得前の時点をphase 1、獲得後をphase 2とした。入院、ICU入室、COPD急性増悪などのイベントの頻度を検証した。
結果:
55人の患者が緑膿菌陽性であった。陰性患者を同等の数マッチさせた。2群間において年齢、性別、喫煙歴、一秒率(予測)に差はみられなかった。緑膿菌陽性患者はphase2において入院頻度が上昇した。phase1-2の間において、少なくとも1度の院内イベント(入院、ICU入室、COPD急性増悪)の頻度に有意差はみられなかった。
結論:
COPD患者において、緑膿菌が陽性となった後にmorbidityは上昇した。これは緑膿菌が予後不良の予測因子となりうることを示唆するものである。
by otowelt
| 2012-05-24 15:05
| 感染症全般