ERS2012:コントロール良好な喘息患者においてLABAの中止は増悪をもたらさない
2012年 09月 02日
R.A. Simon, D.S, et al.
Safety of long-acting β-agonist (LABA) withdrawal in patients in two clinical asthma trials
ERS 2012 Oral Presentation
背景:
長時間作用型β2刺激薬(LABA)は吸入ステロイドとともに喘息治療で使用される。安全性の懸念から、アメリカFDAは気管支喘息コントロールが達成されている患者においてはLABAの治療をやめるよう推奨している。
目的:
LABAと吸入ステロイドを併用している患者におけるLABAの中断の安全性を6か月にわたって評価する。
方法:
AMG 317およびAMG 853の臨床試験に登録したLABAと吸入ステロイドを投与されている患者に対して、LABAをスクリーニング的に離脱させた。臨床的エンドポイントは一秒量変化、予測一秒量パーセンテージ、ACQスコア、日々のレスキュー使用、日々の症状、増悪頻度、有害事象とした。
結果:
366人の患者が吸入ステロイドとLABAを使用され(離脱をこころみられた)、177人が吸入ステロイドのみの投与を受けていた。一秒量の変化、予測一秒量パーセンテージ、ACQスコア、レスキュー使用、症状、増悪頻度はLABA使用の有無において2群に差はみられなかった。増悪までの期間についても差はみられなかった(log rank test P=0.4112; Cox regression analysis P=0.9755, adjusted for screening characteristics)
有害事象も両群とも同等であった。
結論:
喘息症状、呼吸機能、喘息の増悪はLABAの中止によって有意な影響を受けないものと考えられる。
by otowelt
| 2012-09-02 20:10
| 気管支喘息・COPD