ERS2012:気管支喘息患者は、笑うと咳が出る
2012年 09月 02日
いやぁ、身体所見の着眼点が素晴らしい。これはすごい。
この身体所見を確実に検証するための前向き試験をするためには、必ず笑わせられる芸人が必要だろう。
C. Leahy, B. Leahy
A comparison of the frequency of cough with laughter in asthmatic and non asthmatic patients
ERS 2012 Oral Presentation
背景:
咳嗽は、気管支喘息患者における頻度の高い症状である。咳嗽はアレルゲンや労作などの喘息トリガーによって起こされる症状である。笑った時に咳嗽が出ることが喘息の症状として有用かどうか評価した。
方法:
成人呼吸器クリニックに通院している患者に対して、笑った時に咳嗽が出たことがあるか聞いた(聴取のみ)。74人の連続した患者で呼吸器疾患の診断を受けたものを登録した。患者は2群に分けられた。すなわち、喘息患者とそれ以外である。
結果:
気管支喘息患者は43人であり、平均年齢は57.7歳であった。27人が女性であり、16人が男性であった。非喘息群は31人であり、平均年齢は63.9歳であった。16人が男性であり、15人が女性であった。非喘息群では診断された疾患は、COPDが8人、サルコイドーシスが5人、気管支拡張症が2人、過換気症候群が2人、気管支癌、結核、睡眠時無呼吸がそれぞれ1人であった。
気管支喘息群43人のうち42人の患者が笑った時に咳嗽症状を経験していた。非喘息群では、31人のうちたった1人だけがその症状があった。笑ったときの咳嗽は、喘息診断においてきわめて有意な所見であると考えられた(p<0.0001)。この試験では、感度97.6%、得意度96.8%の結果であった。
結論:
笑った時の咳嗽症状は、喘息診断にきわめて有用である。
by otowelt
| 2012-09-02 22:38
| 気管支喘息・COPD