気管支鏡時の出血の90%が5ml未満である
2012年 11月 01日
当院は気管支鏡件数が多いので、出血量のスタディを前向きに組んだら興味深いんのではないかと思っていたら、先月にすでに似たような論文が出ていました。
このスタディのもう一つのウリである血小板との関連についてですが、血小板3万程度であっても気管支鏡をやりたくないと思うのは保守的でしょうか?
Carr IM, et al.
Blood Loss during Flexible Bronchoscopy: A Prospective Observational Study.
Respiration. 2012;84(4):312-8.
背景:
軟性気管支鏡において出血はいまだに重要な合併症である。
目的:
われわれは、低リスク患者における気管支鏡時の出血と、肺の病理学的基礎疾患、SVC症候群、検査データなどとの関連について調査した。
方法:
わえわれは、軟性気管支鏡を施行した患者を18ヶ月で234人登録した。血小板が2万未満であったり、抗凝固薬や抗血小板薬を服用していたり、肝不全の病歴がある患者は除外された。処置中の出血量は、ヘモグロビン同定機を用いた分泌物の吸引で測定し、極少量(<5 ml)、少量(5-20 ml)、中等量(20-100 ml)、重度(>100 ml)に分類された。
結果:
合計210人(89.7%)が極少量の出血で、19人が少量、5人が中等量であった。重度の出血はなかった。SVC症候群のある患者は平均出血量が多く(6.0 ml)、SVC症候群のない気管支腫瘍(p = 0.033)やその他の疾患(p = 0.026)と比べて有意に差がみられた。
出血量はTBNA単独がEBUS-TBNAに比べて有意に少なかった(TBNA, mean 3.4 ml vs mean 5.0 ml, p < 0.001)。貧血や血小板2万5000~15万5000、INR>1.3では出血リスクは上昇していなかった。
結論:
この試験では重度の出血はみられず、このコホートでは出血のリスクは概して低かった。さらに、血小板が2万以上あれば、リスクは低いものと考えられる。
このスタディのもう一つのウリである血小板との関連についてですが、血小板3万程度であっても気管支鏡をやりたくないと思うのは保守的でしょうか?
Carr IM, et al.
Blood Loss during Flexible Bronchoscopy: A Prospective Observational Study.
Respiration. 2012;84(4):312-8.
背景:
軟性気管支鏡において出血はいまだに重要な合併症である。
目的:
われわれは、低リスク患者における気管支鏡時の出血と、肺の病理学的基礎疾患、SVC症候群、検査データなどとの関連について調査した。
方法:
わえわれは、軟性気管支鏡を施行した患者を18ヶ月で234人登録した。血小板が2万未満であったり、抗凝固薬や抗血小板薬を服用していたり、肝不全の病歴がある患者は除外された。処置中の出血量は、ヘモグロビン同定機を用いた分泌物の吸引で測定し、極少量(<5 ml)、少量(5-20 ml)、中等量(20-100 ml)、重度(>100 ml)に分類された。
結果:
合計210人(89.7%)が極少量の出血で、19人が少量、5人が中等量であった。重度の出血はなかった。SVC症候群のある患者は平均出血量が多く(6.0 ml)、SVC症候群のない気管支腫瘍(p = 0.033)やその他の疾患(p = 0.026)と比べて有意に差がみられた。
出血量はTBNA単独がEBUS-TBNAに比べて有意に少なかった(TBNA, mean 3.4 ml vs mean 5.0 ml, p < 0.001)。貧血や血小板2万5000~15万5000、INR>1.3では出血リスクは上昇していなかった。
結論:
この試験では重度の出血はみられず、このコホートでは出血のリスクは概して低かった。さらに、血小板が2万以上あれば、リスクは低いものと考えられる。
by otowelt
| 2012-11-01 00:05
| 気管支鏡