EBUSの超音波所見:悪性を予測する診断基準
2012年 11月 07日
今月のRespirologyで、EBUSにおける超音波所見で悪性を予測する診断基準の提唱がなされました。
2010年のCHESTの論文では、EBUSにおける縦隔リンパ節の悪性を予測する上で最も特異度が高い所見は不均一パターン(heterogeneous echogenicity)(86.6%)で、最も感度が高い所見は辺縁が整であること(94.4%)でした。

Fujiwara T,et al. The utility of sonographic features during endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration for lymph node staging in patients with lung cancer: a standard endobronchial ultrasound image classification system. Chest. 2010 Sep;138(3):641-7.
2012年のJTOでは、カラードプラーエコーでは血流が豊富な所見(GradeII, III)や流入所見(bronchial artery flow sign)は悪性所見を示唆するという報告もあります。
Nakajima T, et al. Vascular image patterns of lymph nodes for the prediction of metastatic disease during EBUS-TBNA for mediastinal staging of lung cancer. J Thorac Oncol. 2012 Jun;7(6):1009-14.
以下、今月のRespirologyの報告です。
Schmid-Bindert G, et al. Predicting malignancy in mediastinal lymph nodes by endobronchial ultrasound: A new ultrasound scoring system. Respirology. 2012 Nov;17(8):1190-8. doi: 10.1111/j.1440-1843.2012.02223.x.
背景および目的:
超音波ガイド下気管支鏡(EBUS)は、非小細胞肺癌の術前の縦隔リンパ節転移の検索のために広く使用されている。このスタディの目的は、縦隔リンパ節の悪性を予測する6つの超音波基準の有用性をプロスペクティブに調べたものである。
方法:
基礎疾患にかかわらず、EBUSは縦隔リンパ節 腫大のある患者に施行された。以下の所見を悪性を予測する超音波所見の基準とした。
・短径>1㎝
・リンパ節内部の不均一パターン
・リンパ節が円形(round shape)
・リンパ節辺縁がはっきりしている
・リンパ節の中央構造が消失
・リンパ節内の血流が豊富
これらのスコアを合計したものを悪性の基準として使用した。もし基準が2つよりも多く(3つ以上)陽性であれば、リンパ節は悪性の高リスクであると判断した。さらに、これらは2人の研究者によって盲検下で検証された。
結果:
145人において281のリンパ節が検討された。44%のリンパ節が悪性であり、10%がサルコイドーシス、10%が結核と判明した。観察者間の一致は良好であった。PPVが最も高かったのは、リンパ節内部の不均一パターンで73%、NPVは80%以上であった。スコアの合計が2点より大きい(3点以上)場合、オッズ比15.5で悪性の予測が可能であった(P < 0.00001)。
結論:
EBUSを行う際、もし超音波基準が2点以下であればリンパ節が悪性である可能性は極めて低い。リンパ節内部の不均一パターンが最も単一所見としては有効であった。
2010年のCHESTの論文では、EBUSにおける縦隔リンパ節の悪性を予測する上で最も特異度が高い所見は不均一パターン(heterogeneous echogenicity)(86.6%)で、最も感度が高い所見は辺縁が整であること(94.4%)でした。


2012年のJTOでは、カラードプラーエコーでは血流が豊富な所見(GradeII, III)や流入所見(bronchial artery flow sign)は悪性所見を示唆するという報告もあります。

以下、今月のRespirologyの報告です。
Schmid-Bindert G, et al. Predicting malignancy in mediastinal lymph nodes by endobronchial ultrasound: A new ultrasound scoring system. Respirology. 2012 Nov;17(8):1190-8. doi: 10.1111/j.1440-1843.2012.02223.x.
背景および目的:
超音波ガイド下気管支鏡(EBUS)は、非小細胞肺癌の術前の縦隔リンパ節転移の検索のために広く使用されている。このスタディの目的は、縦隔リンパ節の悪性を予測する6つの超音波基準の有用性をプロスペクティブに調べたものである。
方法:
基礎疾患にかかわらず、EBUSは縦隔リンパ節 腫大のある患者に施行された。以下の所見を悪性を予測する超音波所見の基準とした。
・短径>1㎝
・リンパ節内部の不均一パターン
・リンパ節が円形(round shape)
・リンパ節辺縁がはっきりしている
・リンパ節の中央構造が消失
・リンパ節内の血流が豊富
これらのスコアを合計したものを悪性の基準として使用した。もし基準が2つよりも多く(3つ以上)陽性であれば、リンパ節は悪性の高リスクであると判断した。さらに、これらは2人の研究者によって盲検下で検証された。
結果:
145人において281のリンパ節が検討された。44%のリンパ節が悪性であり、10%がサルコイドーシス、10%が結核と判明した。観察者間の一致は良好であった。PPVが最も高かったのは、リンパ節内部の不均一パターンで73%、NPVは80%以上であった。スコアの合計が2点より大きい(3点以上)場合、オッズ比15.5で悪性の予測が可能であった(P < 0.00001)。
結論:
EBUSを行う際、もし超音波基準が2点以下であればリンパ節が悪性である可能性は極めて低い。リンパ節内部の不均一パターンが最も単一所見としては有効であった。
by otowelt
| 2012-11-07 05:16
| 肺癌・その他腫瘍