超音波チェックリストを使用すると胸腔穿刺の合併症が減少する
2013年 04月 08日
解釈が難しい試験です。チェックリストの導入があると、診療科内でプレッシャーがかかるのではないでしょうか。精神的な因子も大きいように思います。
KAY CHOONG SEE, et al.
Effect of a pleural checklist on patient safety in the ultrasound era
Respirology (2013) 18, 534–539, doi: 10.1111/resp.12033
背景および目的:
ベッドサイドでの超音波検査は、胸水穿刺および胸水ドレナージを可視化することができる。しかしながら、このアプリーチにおいて安全性を改善する方法に関してはほとんど情報がない。胸腔手技に際してのベッドサイド超音波を用いるときの患者安全性チェックリストの効果を評価した。
方法:
2007年9月から2010年6月まで、プロスペクティブに超音波ガイド下での胸腔手技をおこなった患者を登録した。全ての手技施行者は、半日の基礎的な胸腔超音波の講義を受け、上級医の指導を受けている。
2009年6月に14項目のチェックリストを導入した。
チェックリストの内容は以下の通り。
1.物品の準備が完了していることを確認する。
2.手技の適応があることを確認する。
3.手技に特異的な部位を同定できる。
4.手技の前の胸部画像を撮影していることを確認する。
5.凝固系やそのほかの異常を確認する。
6.患者の同意を得ている。
7.業務時間後に手技を行う場合、理由を提示する。
8.受け持ち医を指名する。
9.ベッドサイド超音波を使用する。
10.胸水の貯留性状を記録する(被包化の有無など)
11.処置中はパルスオキシメーターと心拍数を持続的にモニターする。
12.処置後に胸部レントゲンを撮影する。
13.少なくとも処置後4時間後までは1時間ごとにパルスオキシメーターを記録する。
14.合併症があれば記録する(ドライタップや出血、気胸など)
臨床・安全性データがチェックリスト導入前(phase I)、導入後(phase II)に評価された。
結果:
患者は121人のphase I(58.7 ±18.9歳)および134人のphase II (60.2±19.6歳)であった。合併症はphase Iで10人(8.3%)に発症し(6人:ドライタップ、3人:気胸、1人:血胸)、phase IIでは2人(1.5%)に発症した(1人:有意な出血、1人:胸腔ドレーンの位置異常)(P = 0.015)。
手技に関する死亡は確認されなかった。
チェックリスト単独使用は手技による合併症減少に関連していた。これは、胸腔ドレーン施行率、胸水量、胸水超音波所見とは独立していた。
結論:
チェックリストの使用や綿密な指導は、胸腔手技の安全性を高めるかもしれない。
KAY CHOONG SEE, et al.
Effect of a pleural checklist on patient safety in the ultrasound era
Respirology (2013) 18, 534–539, doi: 10.1111/resp.12033
背景および目的:
ベッドサイドでの超音波検査は、胸水穿刺および胸水ドレナージを可視化することができる。しかしながら、このアプリーチにおいて安全性を改善する方法に関してはほとんど情報がない。胸腔手技に際してのベッドサイド超音波を用いるときの患者安全性チェックリストの効果を評価した。
方法:
2007年9月から2010年6月まで、プロスペクティブに超音波ガイド下での胸腔手技をおこなった患者を登録した。全ての手技施行者は、半日の基礎的な胸腔超音波の講義を受け、上級医の指導を受けている。
2009年6月に14項目のチェックリストを導入した。
チェックリストの内容は以下の通り。
1.物品の準備が完了していることを確認する。
2.手技の適応があることを確認する。
3.手技に特異的な部位を同定できる。
4.手技の前の胸部画像を撮影していることを確認する。
5.凝固系やそのほかの異常を確認する。
6.患者の同意を得ている。
7.業務時間後に手技を行う場合、理由を提示する。
8.受け持ち医を指名する。
9.ベッドサイド超音波を使用する。
10.胸水の貯留性状を記録する(被包化の有無など)
11.処置中はパルスオキシメーターと心拍数を持続的にモニターする。
12.処置後に胸部レントゲンを撮影する。
13.少なくとも処置後4時間後までは1時間ごとにパルスオキシメーターを記録する。
14.合併症があれば記録する(ドライタップや出血、気胸など)
臨床・安全性データがチェックリスト導入前(phase I)、導入後(phase II)に評価された。
結果:
患者は121人のphase I(58.7 ±18.9歳)および134人のphase II (60.2±19.6歳)であった。合併症はphase Iで10人(8.3%)に発症し(6人:ドライタップ、3人:気胸、1人:血胸)、phase IIでは2人(1.5%)に発症した(1人:有意な出血、1人:胸腔ドレーンの位置異常)(P = 0.015)。
手技に関する死亡は確認されなかった。
チェックリスト単独使用は手技による合併症減少に関連していた。これは、胸腔ドレーン施行率、胸水量、胸水超音波所見とは独立していた。
結論:
チェックリストの使用や綿密な指導は、胸腔手技の安全性を高めるかもしれない。
by otowelt
| 2013-04-08 00:09
| 呼吸器その他