閉塞性肺疾患の増悪における非侵襲性バイオマーカーの解析
2013年 04月 16日

呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)測定器の適正使用に関する注意事項の掲載について
しかしそれらの急性増悪を事前に予測する方法が世界中で模索され続けています。以下、Respirologyからの報告です。
Geoffrey Warwick, et al.
Non-Invasive Biomarkers in Exacerbations of Obstructive Lung Disease
Respirology, in press, 25 MAR 2013
背景および目的:
現在の気管支喘息やCOPDの急性増悪を診断する方法は、その疫学あるいは病態生理にわずかな希望しかもたらしていない。非侵襲的な方法があれば、その診断の一助となりうる。
われわれは、閉塞性肺疾患の炎症性バイオマーカープロファイルを同定し、呼吸器感染症を有するコントロール患者と比較した。バイオマーカーは、呼気濃縮液(Exhaled breath condensate:EBC)および誘発喀痰中バイオマーカーの解析をおこなった。
EBCは気管支喘息発作、市中肺炎、COPDなどで増加することが過去に報告されている(J Allergy Clin Immunol. 2002 Jul;110(1):28-34.、Int J Chron Obstruct Pulmon Dis.6:157-69.)
方法:
本試験は、シドニーの聖ヴィンセント病院でおこなわれた。
気管支喘息患者28人、COPD急性増悪29人、呼吸器感染症を有するコントロール患者28人から、呼吸器症状、EBC、誘発喀痰、CRPのデータを採取した。患者は回復後にサイド検査がおこなわれた。EBCおよび誘発喀痰において、タンパク、過酸化水素、インターフェロンγ誘導タンパク(IP-10)、ネオプテリン、IL-6、IL-8、ロイコトリエンB4(LTB4)、TNF-αが調べられた。誘発喀痰細胞とEBCのpHが同様に調べられた。
結果:
EBCのpHは、回復後と比較して増悪中の患者では有意に低かった(5.54±0.07 vs 6.04±0.08; p<0.001)。


結論:
閉塞性肺疾患の増悪において、非侵襲性バイオマーカーの解析は有用な情報をもたらす。特に喀痰中IP-10、ネオプテリン、EBCのpHは有用である。
by otowelt
| 2013-04-16 10:01
| 気管支喘息・COPD