成人一般集団でのアジスロマイシンの使用は心血管系死亡リスク上昇と関連しない
2013年 05月 04日
スタチン、ビタミンD、アジスロマイシン。いわゆる”流行”のスタディの1つと認識しているので、いつも俯瞰的に拝見しています。ただ、リスク増加が報告されている以上は安易に使用できない現状もあります。Henrik Svanström, et al.
Use of Azithromycin and Death from Cardiovascular Causes
N Engl J Med 2013;368:1704-12.
背景:
アジスロマイシンを使用することは、ベースラインの高リスク患者では心血管系による死亡のリスク上昇と関連しているとされている。しかしながら、任意に抽出した一般人口集団で同様のリスク上昇がみられるかどうかはわかっていない。
方法:
18歳から64歳のデンマークの成人を対象としたコホート研究で、1997年から2010年における処方箋、死因、患者背景に関する登録データを用いてアジスロマイシンと心血管系死亡リスク上昇の関連を調査した。
心血管系による死亡の発生率比を、アジスロマイシン使用110万2050件と抗菌薬を使用しない場合との比較(傾向スコアによる1:1でマッチ。エピソード合計220万4100件)をおこなった。また、アジスロマイシン使用110万2419件とペニシリンV使用736万4292件とのアンマッチ比較もおこなった。
結果:
心血管系による死亡リスクは、アジスロマイシンを使用中(5日間の治療エピソードと定義)の場合、抗菌薬を使用しない場合と比較して有意に増加した(発生率比2.85、95%信頼区間1.13~7.24)。使用抗菌薬との比較では、心血管系による死亡はアジスロマイシン使用中に17件(粗死亡率1.1/1000人年)、ペニシリンV使用中の場合に146件(粗死亡率1.5/1000人年)観察された。傾向スコアによって補正した場合、アジスロマイシンの使用はペニシリンVと比較して心血管系死亡リスク上昇とは関連していなかった(発生率比 0.93、95%信頼区間0.56~1.55)。アジスロマイシン使用は、ペニシリンV使用と比べて補正後絶対リスク差が、治療100万件あたり心血管系死亡-1件(95%信頼区間-9~11)だった。


18歳から64歳の成人の一般人口集団でのアジスロマイシン使用は、心血管系による死亡のリスク上昇とは関連しない。
by otowelt
| 2013-05-04 16:04
| 感染症全般









