ATS2013:ベルギーにおける気管支拡張症の長期生存解析データ
2013年 05月 19日

P.C. Goeminne, et al.
Mortality In Non-Cystic Fibrosis Bronchiectasis: Data From A Large Tertiary Hospital In Belgium,
ATS 2013, May 19, 2013, Mini Symposium
背景:
非嚢胞性線維症の気管支拡張症(NCFB)において死亡率に関するデータはほとんどない。Robertらによれば、おおむね1000人の気管支拡張症患者がイングランドおよびウェールズで死亡していると報告されている。LoebingerらはNCFBコホートにおいて13年で30%が死亡したと報告している。われわれのコホートにおいてNCFBが死因となった死亡率について解析をおこなった。
方法:
ベルギーのルーヴェン大学のNCFBデータベースを用いて、2006年6月から2011年12月までの間、568人(65±16歳、女性が45%)の放射線学的に気管支拡張症と診断された患者を登録した。原因、年齢、性別、死因について患者の診療録からデータを抽出した。
結果:
76ヶ月におよぶ試験期間で23%のNCFB患者が死亡した。COPDや胸部腫瘍を合併していた場合には優位に生存率は低かった(生存率50%以下)。関節リウマチによる気道疾患、間質性肺疾患によるNCFBの場合76ヶ月生存率は70%であった。76ヶ月生存率が最もよかったのはアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(84%)、感染後NCFB(86%)、特発性NCFB(86%)、サルコイドーシス(92%)、原発性線毛機能不全(93%)、炎症性腸疾患(100%)などであった。19%の患者では死因は不明だった。残りの81%については、呼吸器系による死亡(56%)、心血管系による死亡(10%)、肝消化器系による死亡(7%)が多かった。
結論:
NCFBの76ヶ月生存率は77%であった。COPDや胸部腫瘍を合併していると生存率は低くなった。ほとんどが呼吸器系による死亡だった。
by otowelt
| 2013-05-19 23:03
| 呼吸器その他