ATS2013:世界貿易センタービル倒壊後の粉塵曝露患者における炎症と気道抵抗の関連
2013年 05月 19日
E. Zhang, et al.Systemic Inflammation Is Associated With Lung Function Abnormalities Following WTC Dust Exposure In Community Members
ATS 2013, May 19, 2013, Poster Discussion Session
背景:
世界貿易センター(WTC)の粉塵やフュームに曝露されることは、地域の労働者や住人、清掃業者に喘息様呼吸器症状をもたらすとされている。これらの患者では呼吸機能検査における異常は同定されないことが多いが、インパルス・オシロメトリー(Impulse Oscillometry:IOS)では局所的な小気道の異常が示唆されている。末梢血炎症性バイオマーカーであるCRPをWTCの粉塵に曝露された患者において測定し、呼吸機能検査やIOSと照らし合わせた。
方法:
WTC環境健康センター(EHC)はWTC倒壊後の健康被害に関連した症状を治療するプログラムを提供している。患者は質問表、血液検査、呼吸機能検査、IOSを受けた。
呼吸機能検査はWilcoxonテストを用いて正常CRP者とCRP上昇者の間で比較をおこなった。さらにlog CRPの線形回帰モデルを用いて解析をおこなった。回帰分析は潜在的交絡因子であるBMI、曝露カテゴリー、喫煙歴などで補正された。
結果:
208人のWTC曝露者が本試験に登録された。適切な呼吸機能検査およびIOSデータはそれぞれ204人、189人から得られた。平均年齢は49歳で、53%が女性だった。曝露カテゴリー(地域労働者、清掃業者、住人)はCRPの正常/上昇と関連していた(P=0.01)。喫煙者はCRP上昇者の多くを占めた (P=0.048)。BMIはCRP高値グループの多くを占めた (Wilcoxonテスト, P<0.001)。1秒量および努力性肺活量はCRP高値グループで低かった (P=0.016, P=0.033)。しかしながら、CRPは一秒率とは関連していなかった (P=0.58)。IOS評価(R5 , R5-20 , AX )はCRP高値グループで高かった(P=0.01, P=0.003, P=.001)。log BMIで補正した場合、多変量回帰分析でlog CRPは%予測1秒量と逆相関がみられ(P=0.009)、log R5 (P=0.02)およびlog AX(P=0.0045)と相関がみられた。
結論:
WTC倒壊後の粉塵・ガス・フューム曝露患者において、末梢血CRP値は1秒量と関連していなかったが、IOSと関連がみられた。これらのデータは、全身性の炎症と気道の異常の関連性を示唆するものである。
by otowelt
| 2013-05-19 23:04
| 呼吸器その他









