ATS2013:サルコイドーシス患者の末梢血および気管支肺胞洗浄液ではTh17/Treg細胞比が上昇する
2013年 05月 20日
C. Jiang, et al.
Imbalance Between Th17 And Regulatory T-Cells In Sarcoidosis
ATS 2013, May 19, 2013, Poster Discussion Session
背景:
サルコイドーシスは全身性の肉芽腫性疾患であり、免疫応答の異常によって引き起こされると考えられている。CD4陽性Tリンパ球は、肉芽腫の形成に重要な役割を果たしている。サルコイドーシスにおける炎症は、CD4+CD25highT細胞群(Foxp3発現)(Tregs)と前炎症性Th17細胞とのホメオスターシスの消失によって起こるかもしれない。この試験の目的は、サルコイドーシス患者において末梢血および気管支肺胞洗浄液(BALF)のTregとTh17細胞を評価し、ステロイドの影響を検証することである。
方法:
10人のサルコイドーシス患者および10人の健常者において、TregとTh17細胞は末梢血およびBALFで測定された。サルコイドーシス患者ではプレドニゾン導入前後に末梢血単核球でFoxp3およびRORγt(retinoic-acid-related orphan receptor-γt)mRNAがリアルタイム逆転写PCRによって解析された。
結果:
サルコイドーシス患者においてTregの減少とTh17細胞の増加が観察された。Th17/Treg細胞比はサルコイドーシス患者で有意に上昇した。プレドニゾン治療後に、Foxp3 mRNA発現は末梢血で増加しており、RORγt mRNA発現は低下する傾向がみられた。
結論:
サルコイドーシスは、末梢血およびBALFでTh17/Treg細胞比の上昇に関連しており、Th17/Treg比に影響を与えるサイトカインを標的にすることがサルコイドーシス治療の新しい可能性をもたらすかもしれない。
by otowelt
| 2013-05-20 02:41
| サルコイドーシス