ATS2013:クロファジミン含有レジメンは多剤耐性結核に有効
2013年 05月 19日
クロファジミンはリネゾリドやアモキシシリン/クラブラン酸と同じサードラインに位置づけられている抗結核薬です。
S. Tang, et al.
Clofazimine For The Treatment Of Multidrug-Resistant Tuberculosis: Multicenter, Randomized Controlled Study,
ATS 2013, May 19, 2013, Poster Discussion Session
目的:
多剤耐性結核(MDRTB)に対するクロファジミンの効果と安全性を検証する。
方法:
われわれは喀痰培養陽性のMDRTB患者92人を登録した。患者はランダムにクロファジジミン治療群(46人)とコントロール群(46人)に割り付けられた。全ての患者はMDRTB診断時に喀痰塗抹陽性であった。いずれの群の患者もこれまで使用した薬剤プロファイルや結核菌の感受性にあわせて治療レジメンを選んだ。クロファジミン群は、このレジメンにさらに1日1回100mgのクロファジミンを21ヶ月にわたり追加した。
結果:
いずれの群においても患者は副作用やその他の理由で治療を中断した。21ヶ月時点で喀痰培養陰性率はクロファジミン群で74.41%(43人中32人)、コントロール群で58.13%(43人中25人)だった(P <0.05)。病変の吸収率はクロファジミン群で81.39%(43人中35人)、コントロール群で60.46%(43人中26人)だった(P <0.05)。クロファジミン群のうち、39人は空洞性変化が初期の胸部CTでみられ、コントロール群では38人に空洞がみられた。治療開始21ヶ月時点での空洞閉鎖あるいは減少率はクロファジミン群で71.79%(39人中28人)、コントロール群で57.89%(38人中22人)だった(P <0.05)。皮膚の副作用はクロファジミン群の40人に観察された。肝機能障害や消化器症状などのほかの副作用は両群とも同等であった。
結論:
MDRTBに対してクロファジミンを用いることは有意に臨床症状や病巣の改善、喀痰培養陰性化を助長する。
by otowelt
| 2013-05-19 23:46
| 抗酸菌感染症