ATS2013:COPD患者の6分間歩行距離370m未満は死亡の独立予測因子
2013年 05月 19日

J.S. Krahnke, et al.
The 6-Minute Walk Distance In COPD Patients With Advanced Emphysema Is An Independent Predictor Of Death And Hospitalization
ATS 2013, May 19, 2013, Thematic Poster Session
背景:
呼吸器疾患のある患者において6分間歩行試験は広く使用されている。一秒量は予後予測因子として多くのデータがあるが、6分間歩行距離は気腫性疾患のある患者において予後を予測できるかどうかよくわかっていない。
方法:
NETT試験に登録された610人のCOPD患者が呼吸器リハビリテーションのあとに平均6分間歩行距離のデータに基づいて、370m以上と370m未満の群にランダム化された。両群間のベースラインの特性を比較するためにスチューデントのt検定およびフィッシャーの正確確率検定を使用した。リハビリテーション後の6分間歩行距離、1年間の6分間歩行距離の変化、2年死亡リスク、1年入院リスクの関連性についてCox比例ハザード解析で評価した。生存はKaplan Meier解析を用いた。
結果:
本コホートでの平均年齢は67.3±5.9歳、391人(64%)が男性、気管支拡張薬投与後の一秒量は予測値の27.0±7.1%だった。ベースラインのBMIは24.8±3.6kg/m2だった。370m未満の6分間歩行距離の患者は、ベースラインにおいて高齢、女性、一秒率低値、努力性肺活量(%)低値、DLCO(%)低値、残気量(%)低値だった。また呼吸リハビリテーション後の1年間の6分間歩行距離の変化はこの群において少なかった。
6分間歩行距離が370m未満の場合、リハビリテーション後の1年で2回以上入院しやすかった。また、年齢、性別、一秒率、BMIで調整した場合の死亡の独立予測因子だった。
結論:
COPD患者における6分間歩行距離370m未満は死亡の独立予測因子であり、1年間の2回以上の入院と関連していた。6分間歩行距離は進行した気腫性疾患のある患者の有用な予測パラメータとなりうる。
by otowelt
| 2013-05-19 23:10
| 気管支喘息・COPD