ATS2013:線維化を伴う肺サルコイドーシスの急性増悪は、気管支拡張症や抗TNF治療を受けている患者に多い
2013年 05月 20日
R.P. Baughman, et al.
Acute Exacerbations In Fibrotic Pulmonary Sarcoidosis
ATS 2013, May 19, 2013, Thematic Poster Session
背景:
肺サルコイドーシス患者は急性増悪をきたしうるとされている。サルコイドーシスのどの病期であっても起こりうるが、線維化のあるサルコイドーシス患者では致死率が高い。肺サルコイドーシス患者の急性増悪を理解するため、われわれはシンシナティ大学サルコイドーシスクリニックの患者で検証した。
方法:
129人の肺の線維化を伴うサルコイドーシス患者を登録した。ステロイドや抗菌薬治療を必要とする肺サルコイドーシスの急性増悪(AEPS)エピソード、年齢、人種、性別、呼吸機能、サルコイドーシスの全身性治療、HRCTデータを抽出した。
結果:
94人(73%)の患者が2回以上のAEPSを経験し、回数の中央値は3回(0~8回)だった。HRCTで気管支拡張症がある患者は、その回数が非気管支拡張症と比較して高かった(3回[0-6回] vs 2回[0-8回], p<0.0001)。 AEPSと年齢、努力性肺活量、一秒量、一秒率、血清IgE値と関連はなかった。さらに、AEPSの回数は人種、性別、喫煙歴、プレドニゾン使用、メトトレキサート使用、その他細胞毒性のある薬剤の使用とは関連していなかった。TNFモノクローナル抗体治療を受けている患者は、よりAEPSの回数が多かった(3.5回[1-6回] vs 3回[0-8回], p=0.0364)。
結論:
AEPSは線維化のあるサルコイドーシス患者では起こりうる病態である。このエピソードは基礎に気管支拡張症がある場合に起こりやすいが、人種、性別、年齢、喫煙歴とは関連していなかった。抗TNF治療を受けている患者はAEPSを起こしやすい。
by otowelt
| 2013-05-20 03:13
| サルコイドーシス