ATS2013:血清ナトリウム値の異常はICU患者の死亡リスクを上昇させる

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S. Bihari, et al.
High Admission Serum Sodium Does Not Affect ICU Mortality In Patients With Acute Respiratory Diseases
ATS 2013, May 19, 2013, Thematic Poster Session


概要:
 現在、以下のことがわかっている。(1)血清ナトリウム値の過剰は細胞内外の水分の分布を変化させ、疾患重症度とは独立して死亡率に影響を与えるかもしれない。(2)血清の高浸透圧は急性呼吸器疾患にとって保護的にはたらく。急性呼吸器疾患でICUに入室した患者で、高ナトリウム血症が死亡率に影響を与えるのではないかと仮説を立てた。2000年1月から2010年12月までにANZICS COREデータベースに登録された436209人の患者で、血清ナトリウム値が与える死亡リスクへの影響を調べた。その結果、ナトリウム異常によって起こる死亡リスクはU型に形成された。ICU死亡率が最も高くなる補正オッズ比は、血清ナトリウム値160mmol/L超で4.2(3.6-4.9)、115~120mmol/Lで1.6(1.4-1.8)であった。呼吸器疾患患者のサブグループでも同じ傾向がみられたが、高ナトリウム血症では統計学的有意差はみられなかった。



by otowelt | 2013-05-19 23:25 | 集中治療

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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